みすず書房

測りすぎ 電子書籍あり

なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

THE TYRANNY OF METRICS

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 232頁
定価 3,300円 (本体:3,000円)
ISBN 978-4-622-08793-9
Cコード C0033
発行日 2019年4月26日
電子書籍配信開始日 2019年5月10日
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測りすぎ

多くの人が漠然と感じているのは、業績評価が問題の本質を外れ、文脈を奪い、人間による判断の微妙さを軽視して、システムのメカニズムを知っている者だけの利益になっている、ということだ。本書は、この傾向がどこから来るのか、なぜこの傾向が非生産的なのか、なぜわれわれがそれを学ばないのか、をはっきりと説明している。…あらゆる管理職が読むべき本。
ティム・ハーフォード(エコノミスト。『まっとうな経済学』)

「測定基準の改竄はあらゆる分野で起きている。警察で、小中学校や高等教育機関で、医療業界で、非営利組織で、もちろんビジネスでも。…世の中には、測定できるものがある。測定するに値するものもある。だが測定できるものが必ずしも測定に値するものだとは限らない。測定のコストは、そのメリットよりも大きくなるかもしれない。測定されるものは、実際に知りたいこととはなんの関係もないかもしれない。本当に注力するべきことから労力を奪ってしまうかもしれない。そして測定は、ゆがんだ知識を提供するかもしれない——確実に見えるが、実際には不正な知識を」(はじめに)
パフォーマンス測定への固執が機能不全に陥る原因と、数値測定の健全な使用方法を明示。巻末にはチェックリストを付す。

目次

はじめに

Part I 議論
1 簡単な要旨
2 繰り返す欠陥
一番簡単に測定できるものしか測定しない/成果ではなくインプットを測定する/標準化によって情報の質を落とす/上澄みすくいによる改竄/基準を下げることで数字を改善する/データを抜いたり、ゆがめたりして数字を改善する/不正行為

Part II 背景
3 測定および能力給の成り立ち
能力給の起源の一部/実績を測定する──テイラー主義/管理主義と測定
4 なぜ測定基準がこれほど人気になったのか
判断への不信感/専門職批判と選択の神聖化/コスト病/組織の複雑さの中でのリーダーシップ/その抗いがたい魅力
5 プリンシパル、エージェント、動機づけ
ニュー・パブリック・マネジメント/外的報酬と内的報酬
6 哲学的批判
合理主義者の幻想/科学主義/ケドゥリーによるサッチャー批判/説明責任の急速な前進

Part III あらゆるものの誤測定?——ケーススタディ
7 大学
測定基準を引き上げる──誰もが大学へ行くべきだ/勝者の数を増やせば、勝利の価値が低くなる/低い基準と増える測定/大学の実績を測定しろというプレッシャー/ランキングの激しい競争/学術的生産性を測定する/ランキングの価値と限界/大学を格付けする──スコアカード/測定基準からのメッセージ──大学は金を稼げるようになるところだ
8 学校
問題と、解決策と言われるもの/意図せぬ影響/データを倍増させる/能力給/決してなくならない「学力格差」/格差解消への取り組みの代償
9 医療
コスト抑制への経済的後押し/アメリカの医療制度を格付けする/解決策としての測定基準/成功の三つの物語/これらの成功から導き出される結論は?/より大局的な視点──測定基準、能力給、ランキング、成績表/テストケース──再入院を減らす/バランスシート
10 警察
11 軍
12 ビジネスと金融
能力給がうまくいくときと、いかないとき/金融危機/短期主義/その他の機能不全
13 慈善事業と対外援助
変革的vs測定可能
補説
14 透明性が実績の敵になるとき——政治、外交、防諜、結婚
親密さ/政治と政府/外交と諜報活動

Part IV 結論
15 意図せぬ、だが予測可能な悪影響
測定されるものに労力を割くことで、目標がずれる/短期主義の促進/従業員の時間にかかるコスト/効用の逓減/規則の滝/運に報酬を与える/リスクを取る勇気の阻害/イノベーションの阻害/協力と共通の目標の阻害/仕事の劣化/生産性のコスト
16 いつどうやって測定基準を用いるべきか——チェックリスト

謝辞

索引
原注