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X線からクォークまで【新装版】

20世紀の物理学者たち

PERSONAGGI E SCOPERTE DELLA FISICA CONTEMPORANEA


未知の放射線(X線)の発見により第1回ノーベル物理学賞に輝いたレントゲンから、ゲルマンらによる「クォーク」説の導入に至る20世紀物理学の発展を、湯川・朝永両博士をも含む主だった物理学者たちの人物伝で綴った現代物理学入門である。
ベクレル、キュリー夫妻、ラザフォード、プランク、アインシュタイン、ボーア、量子力学の創始者たち(ド・ブロイ、ハイゼンベルク、パウリ、デイラック、シュレーデインガー)、フェルミ、ローレンスなど、今世紀の物理学の世界にきら星のごとく登場した巨人の名を章(または節)の標題として揚げ、その人物と業績、相互の交流と論争が紹介されている。著者自身の見聞によるエピソードも随所に散りばめられ、「物理学者列伝」として親しみやすい読み物となっている。

著者セグレ(Emilio Gino Segre, 1905-1989)は、1928年にローマ大学で学位を取り、ローマ大学助教授、パレルモ大学教授を経て、1938年渡米以後はカリフォルニア大学にあった。1934年ごろにはフェルミとともに中性子反応の先駆的研究を行ない、渡米後には原子核および素粒子物理学にすぐれた業績をあげた。数々の超ウラン元素の発見、反陽子の発見などは特に著名である。後者に関し、1959年チェンバレンとともにノーベル物理学賞を受けている。この間、1943-46年にはロス・アラモスで原爆製造計画に参画した。著書に『エンリコ・フェルミ伝』(久保亮五・久保千鶴子訳、みすず書房)があり、自らの師であり友人でもあったフェルミの全生涯を克明に描き出している。

[初版1982年12月24日発行]


目次


まえがき

第1章 序論
1895年当時の物理学会/新しい時代の幕開け/ピーター・ゼーマン/ジョセフ・ジョーン・トムソン/ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン

第2章 H・ベクレル、キュリー夫妻、放射能の発見
「宿命的」なベクレルの発見/キュリー夫妻と飛躍的な進展

第3章 新世界でのラザフォード――元素の壊変
ラザフォードの初期の経歴/放射能の研究/弟子たち、そして原子核壊変の発見

第4章 心ならずも革命家になったプランク――量子化の考え
物理学の大黒柱/実り豊かな黒体の問題/マックス・プランク

第5章 アインシュタイン――新しい考え方 空間・時間・相対性・量子
型にはまらない青年/相対性/光の粒、そして分子のぶつかり/特許局から世界的な名声へ/この世の秩序が崩れて空間が曲がる/その後のこととアインシュタインの孤独

第6章 サー・アーネスト、ネルソンのラザフォード卿
イギリスに帰る/アルファ粒子を照らす新たな光/原子核/太陽系型の原子/同じようで違うもの――同位性の概念/原子核の変換/キャヴェンディッシュ研究所長

第7章 ボーアと原子モデル
ボーアの青年時代と水素原子/X線が本領を発揮する/量子的な原子の確立/ワイマール物理学とコペンハーゲン物理学、排他原理

第8章 ついに本当の量子力学が現われる
ルイ・ド・ブローイ――物質の波/ウェルナー・ハイゼンベルクとウォルフガング・パウリ――魔法の行列/ポール・アドリアン・モーリス・ディラック――抽象性と数学的な美しさ/エルヴィン・シュレーディンガー/方程式の意味/現実の新しい見方――相補性/謎は解けても疑問は残る

第9章 奇跡の年1932年――中性子、陽電子、重水素、その発見
中性子の発見/重水素の発見/陽電子/新しい核物理学

第10章 エンリコ・フェルミと核エネルギー
ローマでの発見/核分裂の発見/原子爆弾への歩み/超ウラン元素/物理学の動員/この爆弾で起こったこと/フェルミの最後の仕事

第11章 E・O・ローレンスと粒子加速器
大規模物理学/初期の加速器/ローレンスとサイクロトロン /政治と個性/果てしない高エネルギー競争

第12章 原子核を越えて
素粒子/日本における新しい科学/パイ中間子の発見/続々と現われた新粒子/反核子/パリティの破れ/泡箱/野放し状態から秩序へ

第13章 古い切株から出てきた新しい枝
量子電気力学/レーザーとメーザー/原子核物理学/メスバウアー効果/超伝導/その他の巨視的な量子効果/物理学の境界領域にあるもの――天体物理学と生物学/途方に暮れる科学者

第14章 おわりに
今後の動向/物理学の生理構造

付録1 シュテファンの法則とヴィーンの法則
付録2 プランクの黒体輻射式の模索
付録3 光量子の存在に導くアインシュタインの発見的な議論
付録4 ブラウン運動
付録5 アインシュタインによる黒体のエネルギーのゆらぎの扱い
付録6 アインシュタインによる固体の比熱の扱い
付録7 アインシュタインのAとB
付録8 イオンのe/mを知るためのJ・J・トムソンのパラボラ法
付録9 ボーアの水素原子
付録10 量子力学一口案内

参考文献
訳注
訳者あとがき
人名索引
事項索引


著訳者略歴

エミリオ・セグレ
Emilio Gino Segre

1905-1989。イタリアに生れる。1928年ローマ大学で物理学の学位を得、1932年ローマ大学助教授。この頃フェルミと協力して中性子反応の先駆的研究を行なう。1936-38年パレルモ大学物理学部長。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
久保亮五
くぼ・りょうご

1920年東京に生れる。1941年東京大学理学部物理学科卒業。理論物理学専攻。1980年まで東京大学理学部教授。1980-81年京都大学基礎物理学研究所教授。1981-92年慶應義塾大学理工学部教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
矢崎裕二
やざき・ゆうじ

1940年東京に生れる。1963年東京大学工学部冶金学科卒業。1967年東京大学大学院理学系研究科物理学専門課程修士課程修了。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


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X線からクォークまで【新装版】

「X線からクォークまで【新装版】」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/472頁
定価 8,424円(本体7,800円)
ISBN 978-4-622-08804-2 C1042
2019年4月10日発行

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