みすず書房

風見章日記・関係資料【新装版】

1936-1947

判型 A5判
頁数 586頁
定価 16,500円 (本体:15,000円)
ISBN 978-4-622-08806-6
Cコード C3021
発行日 2019年3月14日
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風見章日記・関係資料【新装版】

「国民政府を対手にせず」。盧溝橋事件から日中戦争の泥沼化、第二次世界大戦の勃発、太平洋戦争、そして敗戦。近衛文麿内閣の書記官長・司法大臣として対中国政策の渦中にあった政治家・ジャーナリストが遺した日記・回想記など資料34編(1936-1947)。政治史・軍事史はじめ、昭和史研究にとっての画期的資料を、ここに公刊。
本書は「第一部 日中戦争と近衛内閣」「第二部 アジア・太平洋戦争と敗戦」および「付録 手記「信毎時代」」から成る。
第一部は、昭和11年8月の中国旅行の回想から、翼賛選挙への出馬を見送った昭和17年6月までの日記・手記、関係資料を収録した。この時期の風見は、第一次近衛内閣で内閣書記官長、第二次近衛内閣では司法大臣に就任し、昭和15年の新体制運動ではその推進役として活躍するなど、政界の最も中枢に位置した政治家の一人であった。風見の政治家人生の中でも最も激動に満ちた時代でもある。
第二部には、昭和17年1月から敗戦後の昭和22年3月までの日記・手記・論考を収録した。昭和17年4月の翼賛選挙への立候補を断念し、在野の人間として過ごした時期の記録である。政局に関する記述は、日ソ関係の論考などを除くと少ないが、それに代わって、戦時下の家族の生活や社会情勢・世相に関する記述が増える。迫真の事実記録であり、鮮かな情勢分析となっている。
「付録」は信濃毎日新聞の主筆時代、大正11年夏頃から昭和2年の回想録で、風見の見た関東大震災の現場報告は、貴重かつ圧倒的な臨場感あふれる記録である。
長年のあいだ風見章とその私設秘書・志冨靭負の遺族のもとに所蔵されていた関係文書が、2007年に早稲田大学大学史資料センターに寄贈されたことで、本書の刊行が可能になった。

[初版2008年3月18日発行]

目次

第一部 日中戦争と近衛内閣
1 手記 中国旅行回想
2 手記 第一次近衛内閣期
3 手記 「回想記」
4 手記 「昭和十三年五月 秘録 志冨靭負記」
5 風見章言行録
6 日記
7 手記 「昭和十四年八月」
8 日記 「備忘録 昭和十四年九月以降」
9 「備忘録 十四年十月至十一月二十七日」
10 「備忘録 十四年十一月二十八日 三郎闘病記」〔抄録〕
11 日記「政界新体制 昭和十五年五月」
12 新体制運動資料1
13 新体制運動資料2
14 手記
15 日記「備忘録 昭和十六年」

第二部 アジア・太平洋戦争と敗戦
16 手記
17 日記
18 日記「閑居雑記 昭和十八年八月一日」
19 日記「昭和十九年四月起」
20 論考「ソ聯と太平洋戦争との関聯についての若干の考察」
21 論考「日ソ中立条約に関する若干の考察」
22 論考「随時随筆(一) 昭和十九年十月起」
23 手記「随時随筆(二) 昭和十九年十月」
24 論考「一九四四年(昭和十九年)十一月六日ソ聯革命記念日に於けるスターリンの演説に関する若干の考察」
25 日記「雑記 2605 昭和二十年一月 1945」
26 手記「覚え帳」〔抄録〕
27 手記「落穂録」〔抄録〕
28 日記「田園日記抄 一九四五年」
29 日記「備忘 昭和二十年六月一日」
30 手記〔抄録〕
31 日記「備忘 昭和二十年七月二十一日」
32 日記〔抄録〕
33 手記「昭和二十一〔二〕年二月末(一九四七年)G・H・Q行」・「余録」

付録
34 手記「信毎時代」

解説/人名索引