みすず書房

詩人の没後五年を機会に、書き残しながら本にまとまらずに終わった断章の連作「誰も気づかなかった」と、「夜の散文詩」シリーズの5篇を小さな本として刊行。「本があった。/しかしそれが本だと、/ここにいる誰も、気づかなかった。/本は読まれなかったからである。」このようなリズムをそなえた箴言と、晩年の景色を記した散文詩。長田弘さんがぜひ伝えたかった思索の結晶を傍らに置いて、何度でも読みかえせるように。

目次

誰も気づかなかった

夜の散文詩
  図書館の木の椅子
  静かな闇の向こう
  ONE
  一瞬は永遠よりも長い
  街路樹の幻

書評情報

毎日新聞
2020年4月25日
河北新報「東北の本棚」
2020年6月21日