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レジリエンス思考

変わりゆく環境と生きる

RESILIENCE THINKING

Sustaining Ecosystems And People in a Changing World


ある時突然、景色が変貌し始める。長い間変わらずにあった一帯に、気がつくと見慣れない植物がはびこっている。大きな嵐の後、サンゴ礁が回復しない。大雨の後、一帯の草木が枯れ始める……。私たちが問題に気づくのは、いつもわかりやすい変化が起きた後だ。
著者によれば、変化はずっと前から始まっていた。何の変化も起きていないように見えても、どの生態系も静かに「レジリエンス」を失い続けていたのだ。
レジリエンスとは、「システムが攪乱を吸収しながらも、基本的な機能と構造を維持する能力」を言う。著者によれば、生態系のレジリエンスは有限であり、変動する。その低下を招く要因は生態系によってさまざまだ。ただし、どれもゆっくりと変化するため気づかれにくい。
その「遅い変数」を認識しないまま開発を行うと、気づかぬうちにレジリエンスの低下を招く。そして生態系は、以前ならば十分耐えられた外乱によって、簡単に別の生態系に移行してしまう。著者は、生態系を構成する機能群や「遅い変数」を見極め、別の生態系への移行が起きる閾値をモニタリングする「レジリエンス思考」による環境保全を提唱している。
変動し続ける自然に対し、そのレジリエンスに注目しながら共に生きる術を五つの事例で解説する、現代の必携書。


目次


はじめに
まえがき
謝辞

第1章 複雑な世界に生きるということ
──レジリエンス思考のすすめ

事例研究 1 切り刻まれた国の象徴
──フロリダ・エバーグレーズ

第2章 システムのルール
──レジリエンス思考のための心の余地を創る

事例研究 2 塩と雨のはざまで
──オーストラリア、ゴールバーン・ブロークン流域

第3章 閾値を超える
──道を選ぶ時は、後戻りできないことも覚悟して

事例研究 3 失われつつある至宝
──カリブ海のサンゴ礁

第4章 循環の中へ
──適応サイクルを回り、システムは変わってゆく

事例研究 4 湖がたどりうるいくつかのシナリオ
──ウィスコンシン州、ノーザン・ハイランド・レイク・ディストリクト

第5章 レジリエンスを理解する
──レジリエンス思考をどう応用する?

事例研究5 湿地帯のレジリエンスを構築する
──スウェーデン、クリスチャンスタッズ・ヴァッテンリーケ

第6章 縮みつつある世界に余地を生み出す
──レジリエンスと持続可能性

レジリエンスの高い世界に向けたあとがき
さらに勉強したい人のために
参考文献
語彙集
訳者あとがき
索引


著訳者略歴

ブライアン・ウォーカー
Brian Walker

生態学者。ジンバブエ生まれ。カナダのサスカチュワン大学で博士号を取得。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
デイヴィッド・ソルト
David Salt

サイエンスライター。CSIRO野生生物生態学部のコミュニケーションマネージャー、一般向け科学雑誌の編集者を経て、現在、オーストラリア国立大学が発行するDecision Point誌記者。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
黒川耕大
くろかわ・こうた

翻訳家。金沢大学理学部地球学科卒業、同大学自然科学研究科生命・地球学専攻修了。ナショナルジオグラフィックチャンネルやディスカバリーチャンネルなどの科学番組の翻訳を数多く手掛ける。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「レジリエンス思考」の画像:

レジリエンス思考

「レジリエンス思考」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/208頁
定価 3,960円(本体3,600円)
ISBN 978-4-622-08931-5 C0040
2020年9月16日発行

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