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構造・安定性・ゆらぎ【新装版】

その熱力学的理論

THERMODYNAMIC THEORY OF STRUCTURE, STABILITY AND FLUCTUATIONS


〈熱力学の方法を、平衡はもとより非線形性や不安定性をも含むあらゆる現象へ拡張できないであろうか? ……新しい「構造」は常に不安定性の結果として出現する。すなわちそれはゆらぎから生じるものである。ふつうはゆらぎが生じると、系をもとの乱れのない状態に戻そうとする動きが続いて起るが、新しい構造が形成される場合には、反対にゆらぎは増幅される。……安定性の理論を不可逆過程の熱力学に結びつけ、ゆらぎの巨視的理論を包含する一般化された熱力学を作り上げなくてはならない。〉

散逸構造の理論で、1977年、ノーベル化学賞を受賞したプリゴジンの、グランスドルフとの共著による初期の著作。開放系に現れる構造の問題を、非平衡熱力学の立場から、物理学、化学、生物学について、統一的な観点からの説明を試みる。

[初版1977年8月25日発行]


目次


日本語訳への序

序論

第 I 部 一般論
第1章 保存則と釣合いの式
1. 釣合いの式の一般形
2. 質量の保存
3. 運動量の保存と運動方程式
4. エネルギーの保存

第2章 熱力学第2法則とエントロピーの釣合いの式
1. 熱力学第2法則
2. 局所平衡
3. エントロピーの釣合いの式
4. 熱力学の基本的な諸関係式
5. エントロピーの2次微分
6. 複素変数の使用

第3章 不可逆過程の線形熱力学
1. 流れと力
2. オンサーガーの相反関係
3. 不可逆過程間の干渉に対する対称性からの要請
4. 非平衡定常状態とエントロピー生成最小の定理
5. 化学反応
6. 結語

第4章 熱力学的平衡に関するギブス‐デュエムの安定性理論
1. 序論
2. 安定性に対するギブス‐デュエムの条件
3. 安定条件の具体的な表式
4. 2成分系の相分離
5. 化学反応の安定性
6. ギブス‐デュエム理論の限界

第5章 熱力学的平衡の安定性に関する一般論
1. 熱力学的平衡とエントロピーの釣合いの式
2. 熱力学的安定条件
3. 運動論的安定性理論との比較

第6章 非平衡状態の熱力学的ならびに流体力学的安定条件
1. 序論
2. 安定性の定義――リアプノフ関数
3. 散逸系の安定性
4. 緩和原理とル・シャトリエ‐ブラウンの原理
5. 系全体としての安定条件
6. リアプノフ関数としてのδ2sの特性
7. 対流効果がある場合の安定性
8. 運動論的安定性理論との比較
9. 熱力学的安定条件と流体力学的安定条件との分離

第7章 非平衡状態に対する安定条件の具体的表式
1. 序論
2. 熱的安定性
3. 粘性流体の運動に関するヘルムホルツの定理
4. 化学反応
5. 過剰量に対する釣合いの式
6. 過剰エントロピーの釣合いの式
7. 散逸過程に対する具体的な安定規準
8. 安定性と線形熱力学
9. 安定性とエントロピー生成
10. 安定性と平衡
11. エントロピー釣合いの式との比較
12. 流体・熱力学的安定性
13. 熱力学的および流体力学的安定条件のそれぞれの具体的な形

第8章 安定性とゆらぎ
1. アインシュタインのゆらぎの公式
2. 化学反応
3. 温度のゆらぎ
4. ゆらぎの消退
5. 決定論的記述とゆらぎ

第9章 時間発展の一般規準
1. 序論
2. 散逸過程の時間発展規準
3. 時間発展規準とエントロピー生成最小の定理
4. 時間発展規準と定常状態の条件
5. 定常状態のまわりの回転。運動論的ポテンシャル
6. 散逸系の定常状態近傍における基本モードの振舞い
7. 対流過程
8. 時間に依存する対流過程

第 II 部 変分法と流体力学への応用
第10章 局所ポテンシャル
1. 保存方程式と変分計算
2. 熱伝導問題に対する局所ポテンシャル
3. 時間を含む熱伝導問題
4. ガラーキン法との関係
5. 自己無撞着法の収束性
6. 時間を含む問題
7. 反復法
8. 定常状態に対する局所ポテンシャルの一般式
9. 時間を含む過程に対する局所ポテンシャルの一般式
10. 過剰局所ポテンシャル
11. 運動論における局所ポテンシャル
12. 他の変分法との比較

第11章 静止流体における安定性問題
1. 序論
2. 摂動方程式
3. 層状流体の安定条件
4. ベナール不安定性とエントロピー生成
5. 熱力学的解釈と散逸構造
6. 中立安定条件
7. 安定性交換の原理と時間発展規準
8. 臨界レイリー数に対する変分法の自由最小原理
9. ベナール問題の基本モードによる解析
10. 自由最小法による臨界レイリー数の近似値
11. 2成分ベナール問題における不安定性の開始
12. 垂直円柱状流体の安定性

第12章 層流の安定性問題に対する局所ポテンシャルの応用
1. 序論
2. 流体力学的安定性に対する固有値問題
3. 流体力学的安定性に対する過剰局所ポテンシャル
4. 垂直温度勾配を持つ流れの安定性に対する過剰局所ポテンシャル
5. 平面ポアズイユ流の臨界レイノルズ数
6. ベナール問題の臨界レイリー数
7. 層流におけるベルナール問題
8. 乱流に対する垂直方向の温度勾配の影響

第13章 有限振幅波の安定性
1. 序論
2. 音波
3. 圧縮波と希薄波。リーマンの不変量
4. 進行波の小擾乱
5. 単純圧縮波の不安定性
6. 単純希薄波の安定性
7. P[δZ] の変形

第 III 部 化学過程
第14章 化学反応における時間秩序
1. 序論
2. 化学的振動に対する熱力学的閾値
3. ロトカ‐ヴォルテラ型の持続振動
4. 化学的不安定性
5. 不安定領域における時間的振舞い
6. 極限周期軌道
7. ロトカ‐ヴォルテラ模型と極限周期軌道的振舞いとの比較
8. ゆらぎ
9. 振動系の例。ジャボチンスキー反応

第15章 化学反応における空間秩序と散逸
1. 序論
2. 対称性を破る不安定性
3. 対称性を破る不安定性の熱力学的解釈
4. 対称性を破る不安定性の熱力学的閾値
5. 散逸的空間構造
6. 散逸的空間構造の例。ジャボチンスキー反応
7. 多重酵素反応における極限周期軌道と散逸構造

第16章 多重定常状態
1. 序論
2. 独立変数が1個の場合
3. 多重定常状態を持つモデル
4. 膜の興奮性。モデル
5. 膜の興奮性。定常状態方程式

第17章 物理法則の統一性とその記述の諸段階
1. 序論
2. 生物学的構造
3. 構造の階層性

日本語訳への付録。最近の発展
文献
記号一覧
訳者あとがき
索引


著訳者略歴

P・グランスドルフ
Paul Glansdorff

1904-1999。ベルギーの物理学者。専攻 流体力学、熱力学。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
イリヤ・プリゴジン
Ilya Prigogine

1917-2003。モスクワに生まれる。ブリュッセル自由大学卒業。ブリュッセル自由大学物理化学科教授、ソルヴェー国際物理化学研究所長、テキサス大学統計力学・熱力学研究センター所長を歴任する。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
松本元
まつもと・げん

1940年東京生れ。1964年東京大学理学部物理学科卒業。理学博士。元理化学研究所脳科学総合研究センターグループディレクター。2003年歿。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
竹山協三
たけやま・きょうぞう

1939年東京生れ。1963年東京大学工学部応用物理学科卒業。エ学博士。中央大学名誉教授。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


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構造・安定性・ゆらぎ【新装版】

「構造・安定性・ゆらぎ【新装版】」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/328頁
定価 7,700円(本体7,000円)
ISBN 978-4-622-08938-4 C3042
2020年7月10日発行

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