みすず書房

誰がために医師はいる 電子書籍あり

クスリとヒトの現代論

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 232頁
定価 2,860円 (本体:2,600円)
ISBN 978-4-622-08992-6
Cコード C0047
発行日 2021年4月 1日
電子書籍配信開始日 2021年4月 1日
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誰がために医師はいる

ある患者は違法薬物を用いて仕事への活力を繋ぎ、ある患者はトラウマ的な記憶から自分を守るために、自らの身体に刃を向けた。またある患者は仕事も家族も失ったのち、街の灯りを、人の営みを眺めながら海へ身を投げた。
いったい、彼らを救う正しい方法などあったのだろうか? ときに医師として無力感さえ感じながら、著者は患者たちの訴えに秘められた悲哀と苦悩の歴史のなかに、心の傷への寄り添い方を見つけていく。
同時に、身を削がれるような臨床の日々に蓄積した嗜癖障害という病いの正しい知識を、著者は発信しつづけた。「何か」に依存する患者を適切に治療し、社会復帰へと導くためには、メディアや社会も変わるべきだ――人びとを孤立から救い、安心して「誰か」に依存できる社会を作ることこそ、嗜癖障害への最大の治療なのだ。
読む者は壮絶な筆致に身を委ねるうちに著者の人生を追体験し、患者を通して見える社会の病理に否応なく気づかされるだろう。嗜癖障害臨床の最前線で怒り、挑み、闘いつづけてきた精神科医の半生記。

[月刊「みすず」好評連載を書籍化。精神科医による迫真のエッセイ]

目次

「再会」――なぜ私はアディクション臨床にハマったのか
「浮き輪」を投げる人
生きのびるための不健康
神話を乗り越えて
アルファロメオ狂騒曲
失われた時間を求めて
カフェイン・カンタータ
「ダメ。ゼッタイ。」によって失われたもの
泣き言と戯言と寝言
医師はなぜ処方してしまうのか
人はなぜ酔いを求めるのか

あとがき
参考文献

書評情報

渡邊十絲子
(詩人)
毎日新聞 2021年5月15日
倉数 茂
(小説家)
日本経済新聞 2021年5月29日
週刊エコノミスト
インタビュー「著者に聞く」
2021年6月29日号

関連リンク

プレジデントオンラインにて紹介

「薬物に手を出すと廃人になる」私たちがずっと教わってきた話はウソである https://president.jp/articles/-/46044