みすず書房

コード・ガールズ 電子書籍あり

日独の暗号を解き明かした女性たち

CODE GIRLS

The Untold Story of the American Women Code Breakers of the World War II

判型 四六判
頁数 504頁
定価 3,960円 (本体:3,600円)
ISBN 978-4-622-09019-9
Cコード C0022
発行日 2021年7月16日
電子書籍配信開始日 2021年7月16日
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コード・ガールズ

日本軍の真珠湾攻撃が迫る1941年11月、アメリカ海軍から東部の名門女子大に宛てて「秘密の手紙」が送られはじめた。そこには、敵国の暗号解読に当たれる優秀な学生がほしいと記されていた――。
第二次世界大戦中、米陸・海軍に雇われ、日本やドイツなど枢軸国の暗号解読を担ったアメリカ人女性たちがいた。外国語や数学をはじめとする高等教育を受けた新卒者や元教師らが全米各地から首都ワシントンに集い、大戦末期には男性をしのぐ1万人以上の女性が解読作業に従事した。
その働きにより、日本の外交暗号(通称パープル)や陸軍の船舶輸送暗号が破られ、枢軸国側に壊滅的な打撃を与えた。ミッドウェー海戦での米軍の勝利、山本五十六連合艦隊司令長官の殺害作戦の陰にも彼女らがいた。一方、大西洋戦域においてはドイツのエニグマ暗号を解明してUボートの脅威を排除し、ノルマンディー上陸時の欺瞞作戦でも活躍した。こうした功績がきっかけとなり、それまで女性には閉ざされていた政府高官や大学教授など高いキャリアへの道が切り拓かれることになる。
戦後も守秘義務を守り、口を閉ざしてきた当事者らへのインタビュー、当時の手紙、機密解除された史料などをもとに、情報戦の一翼を担った女性たちに光をあて、ベストセラーとなったノンフィクション。口絵写真33点を収録。解説・小谷賢。

巻末「解説」(小谷賢)ウェブ公開

日本のインテリジェンス研究の第一人者である小谷賢教授(日本大学危機管理学部)による「解説」をPDFでお読みになれます。

目次

凡例
著者まえがき
秘密の手紙
序章「わが国はあなたたち若い女性が必要だ」

第1部 「総力戦ともなれば、女性が必要とされるだろう」
第1章 28エーカーに広がる娘たち
第2章 「これは男の人の仕事だけど、うまくやれそうです」
第3章 もっとも難解な問題
第4章 「これほど大勢の女性たちが一か所にいる」

第2部 「この広大な海域のいたるところで日本は優勢であった」
第5章 「胸がはりさけそうだった」
第6章 「QはコミュニケーションのQ」
第7章 「地獄の半エーカー」
第8章 「人間なら不満をもって当然です」
第9章 鉛筆を動かす女たちが日本の船を沈没させる

第3部 潮目が変わる
第10章 シュガー・キャンプ
第11章 「敵がセーヌ河口に上陸」
第12章 ティーディ
第13章 降伏を告げる通信文
第14章 クロウにさようならを
終章 てぶくろ

ペーパーバック版へのあとがき
謝辞

付録1・2(暗号解読用語集、第二次世界大戦略年表)
解説「暗号戦に勝利をもたらした女性たち」  小谷賢

参考文献
原注
索引

書評情報

冬木糸一
HONZ「歴史の影で忘れ去られていた女性暗号解読者たちの活躍に光を当てるノンフィクション」 2021年8月5日
青木薫
HONZ「青木薫のサイエンス通信」 2021年8月22日
中西寛
(京都大学教授)
日本経済新聞 2021年9月4日
村井理子
(翻訳家・エッセイスト)
Foresight【ブックハンティング】「第二次世界大戦勝利を陰で支えた「女性たち」の秘められた物語」 2021年9月20日
永江朗
(ライター)
週刊朝日 2021年9月24日号
「文春図書館」
週刊文春 2021年10月14日号
『外交』vol.69
2021年9月/10月号
横山広美
(東京大学教授)
信濃毎日新聞 2021年10月9日ほか、共同通信配信
井上佳子
(長崎県立大学教授)
熊本日日新聞 2021年12月19日号
酒井順子
(エッセイスト)
週刊文春 2022年1月13日号