動くものはすべて殺せ【新装版】
アメリカ兵はベトナムで何をしたか
KILL ANYTHING THAT MOVES
判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 432頁 |
定価 | 4,620円 (本体:4,200円) |
ISBN | 978-4-622-09626-9 |
Cコード | C0031 |
発行日 | 2023年5月18日 |
KILL ANYTHING THAT MOVES
判型 | 四六判 |
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頁数 | 432頁 |
定価 | 4,620円 (本体:4,200円) |
ISBN | 978-4-622-09626-9 |
Cコード | C0031 |
発行日 | 2023年5月18日 |
「民間人を殺害し、森の空き地や田んぼの排水路に死体の山を築いていたのは地上部隊だけではなかったのだ。ヘリコプターが襲いかかった村では、数え切れないほど多くの人が恐怖に駆られて走りだし、結局はM60機関銃の掃射に切り裂かれて命を落とした。ミライ事件をはるかにしのぐ大規模殺戮では、通例、重火器が用いられ、事務的に淡々と死体が量産されていった。(…)
それがこの戦争の本質であり、ベトナムをテーマとする数万冊の書籍にほとんど描かれてこなかった真の姿なのだ」
4時間で500人以上の村人を虐殺したミライ(ソンミ村)事件は逸脱ではなかった。“動く者はすべて殺せ”という命令の下になされた軍事作戦の一部だったのだ。
国立公文書館資料の粘り強い調査や、事件にかかわった帰還兵や内部告発者、さらにベトナム人生存者へのインタビューによって、米軍と政府の施策がどれだけ多くの無辜の住民を殺し傷つけたか、そして軍司令部と国防総省はその事実をいかに隠蔽してきたか、いま初めて明かされる。
本書が2013年にアメリカで刊行されるや、「パラダイムシフトを迫る画期的な戦争史」「ベトナム戦争について書かれた最も重要な本」等々と絶賛され、優れた調査報道に贈られるライデナワー賞を受賞した。アメリカの戦争とはいかなるものか。生々しい戦慄とともに語られる戦争の真実。
[初版2015年10月1日発行]
序 作戦であって逸脱ではない
第一章 チェウアイ村虐殺事件
第二章 苦難を生むシステム
第三章 過剰殺戮
第四章 くり返された蛮行
第五章 終わりのない苦悩
第六章 バマー、“グーク・ハンター”、デルタのばらし屋
第七章 戦争犯罪はどこへ行った?
エピローグ さまよえる亡霊たち
謝辞
訳者あとがき
注
索引
[書評エッセイ]白井洋子(日本女子大学名誉教授、アメリカ史)