ミミズの農業改革 電子書籍あり
判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 228頁 |
定価 | 3,300円 (本体:3,000円) |
ISBN | 978-4-622-09640-5 |
Cコード | C0045 |
発行日 | 2023年12月1日 |
電子書籍配信開始日 | 2023年12月29日 |
判型 | 四六判 |
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頁数 | 228頁 |
定価 | 3,300円 (本体:3,000円) |
ISBN | 978-4-622-09640-5 |
Cコード | C0045 |
発行日 | 2023年12月1日 |
電子書籍配信開始日 | 2023年12月29日 |
地面の下で、無数の土壌生物が蠢いている。土は、彼らの活動の痕跡が幾重にも刻み込まれることで維持されている複雑な構造物だ。もし土壌生態系が失われれば、土もただの砂に戻っていき、やがて失われてしまうだろう。
なかでもミミズは、土壌生態系において「生態系改変者」に位置付けられ、その生態系にいるかいないかで風景を一変させてしまうほどの影響力を持つ。落ち葉と土を旺盛に食べ、糞は団粒に、トンネルは排水路になる。その痕跡は長く土に残り、土壌生物や植物に恩恵をもたらしている。
土壌生態系は長い間土を維持してきた。しかし、人が農耕によって土に介入し始めると土壌劣化が始まった。20世紀以降は特に急速に劣化が進んでいる。著者曰く、その原因は農薬だけでなく、農業の基本とされる耕耘にもあるという。土壌生態系を維持するには、耕してはいけないのだ。
では、耕さない農業は可能なのだろうか。著者は、自身の実験農場で「不耕起・草生」の農業を実践している。その農地では、耕していないのに土が柔らかくなり、化学肥料を与えていないのに土壌の栄養塩の循環が増える。これらの変化は、土を生態学の視点で捉えることで説明できるという。
ミミズをはじめとする土壌生態系と作物を共存させる、これからの再生型農業を提案する書。
はじめに
第一部 土とは何か――人のいない世界について
第1章 土、身近なる未知
第2章 落ち葉のバランス
第3章 足元に潜む生物群X
第4章 ミミズは不可視の要石である
第二部 人の介入で何が起きるか――現在の主流農業の問題点
第5章 沈黙するミミズたち
第6章 なぜ農業に生物多様性が必要なのか
第7章 数百万年の土壌劣化、百年の土壌劣化
第8章 無肥料栽培でどこまで育つ?
第9章 暗中模索する人びと
第三部 農業をどう転換させるか
第10章 ミミズの農業改革
第11章 無理のない転換のために
おわりに 土を守ることは、自分を守ること
参考文献
索引
本書第1章冒頭より(WEBみすずウェブサイト「新刊紹介」)