みすず書房

遥かなる山に向かって

日系アメリカ人二世たちの第二次世界大戦

FACING THE MOUNTAIN

A True Story of Japanese American Heroes in World War II

判型 四六判
頁数 648頁
定価 5,280円 (本体:4,800円)
ISBN 978-4-622-09647-4
Cコード C0022
発行日 2025年2月10日
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遥かなる山に向かって

1941年12月7日(現地時間)、ハワイ・オアフ島の真珠湾を日本海軍の機動部隊が襲い、日米が開戦。日系アメリカ人の日常は一変した。
ハワイに生まれ、日本軍の空襲を目の当たりにしたカッツ・ミホ。一家で農地を追われ、砂漠地のポストン収容所に強制収容されたルディ・トキワ。家業のクリーニング店の客足が途絶えたフレッド・シオサキ。3人は、差別や葛藤をへて米陸軍の日系人部隊・第442連隊戦闘団に入隊し、欧州の激戦地へと送られる。対照的に、シアトルに住むゴードン・ヒラバヤシは当局の指示に背いて収監され、日系人に対する措置の違憲性をめぐって法廷闘争を決意する。
広島や鹿児島、静岡など日本各地出身の両親のもとに生まれ、アメリカ市民として育った4人の二世を主人公に、不条理と闘った日系人たちの群像を精緻に描く。『ヒトラーのオリンピックに挑め』の著者がおくる新たなノンフィクションの名編であり、戦後80年をへて価値を増す生きた証言録。写真51点を収録。序文トム・イケダ(Densho元事務局長)。

目次

序文(トム・イケダ)
著者からの言葉

プロローグ
第一部 衝撃
第二部 追放
第三部 コトンクスとブッダヘッズ
第四部 千人針
第五部 地獄への門
第六部 帰郷
エピローグ

謝辞
訳者あとがき
原注
資料
写真クレジット

お詫びと訂正

本書第1刷(2025年2月発行)において下記の誤りがございました。
著者による原書の記述訂正を受けてここに訂正いたします。誤記を謹んでお詫び申し上げます。(2025年10月22日)

299頁 18行目
(誤)正式に
(正)〔削除〕

354頁 写真キャプション 
(誤)ドイツ軍の捕虜を連行してきたルディ・トキワ。イタリアにて
(正)複数の証拠からこの写真で先頭にいるのは、二世兵士のイチロー・カミカワだと思われる

549頁 10行目
(誤)広島から三日後の〔…〕同じ日の朝
)一九四六年八月九日の早朝

549頁 12行目
(誤)船には第四四二連隊戦闘団の第一陣としてハワイに帰還する士卒総勢二四一名が
)船には第四四二連隊戦闘団の中でハワイに帰還する最後の士卒が

549頁 10行目-550頁 15行目(550頁の写真とキャプションも含む)
(正)〔557頁の最終行の後に、1行あけて移す〕

557頁 3-5行目
(誤)今回は、兵士らを〔…〕数人来ていただけだった
(正)〔削除〕

562頁 1行目
(誤)一万八〇〇〇人
(正)一万人

562頁 3行目
(誤)第四四二連隊はさらに
(正)第四四二連隊は第一〇〇大隊と合わせて

原注 40頁 31-33行目
(誤)第442連隊のハワイへの帰還の〔…〕に取り上げられている。
(正)〔削除〕

原注 41頁 18行目
(正)〔17行目の後に改行して以下を追記〕
第442連隊の最後の一団のハワイへの到着は、1946年8月9日付の《ホノルル・スター゠ブレティン》に「ホノルル、第442連隊を称賛」「イオラニ宮殿前での式典で、大群衆が第442連隊を迎える」という見出しで伝えられた。

書評情報

野村進
(ノンフィクションライター)
「米兵となった日系人の戦争」
日本経済新聞 2025年3月29日
川井龍介
(ノンフィクションライター)
「敵と闘い、差別と闘った物語―『遥かなる山に向かって 日系アメリカ人二世たちの第二次世界大戦』を読む」
ディスカバー・ニッケイ「日系(ニッケイ)—をめぐって」第60回 2025年4月11日
保阪正康
(ノンフィクション作家)
「迫害の実態 口述資料で詳細に」
朝日新聞 2025年5月17日
佐田尾信作
(客員編集委員)
「真珠湾とヒロシマの間」
中国新聞 2025年7月20日

関連リンク

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