みすず書房

宗教戦争の動乱のただなかにあった16世紀フランスに生き、ギリシア・ローマの思想家の著作を繙きつつ、時代に向き合い、〈わたし〉という人間の自画像を描いたミシェル・ド・モンテーニュ。
そのモンテーニュの『エセー』を枕頭の書としてきた著者は、この文人を「愛すべき人物」と呼ぶ。モンテーニュの言葉を読む愉しさに浸り、『エセー』の言葉を検討し、自分の考えと突き合わせる。人生を振り返りながら、モンテーニュの言葉に立ちもどり、考え直す。
〈生きるということ〉への問いかけの前に立ち、頭の中を去来する日々の泡のような思いをすくい取りながら綴る、随筆/随想(エセー)

目次

はじめに
1 忘却への抵抗
2 生き直す試み
3 わたしはあらゆる面で、自分の主人でありたい
4 倚りかからず
5 習慣について・ながら族
6 人生の貸しと借り
7 人付き合いについて
8 好奇心は疫病神か
9 すぐにページをめくる人間
10 学問――私の愚行について
11 書物との付き合いについて
12 名誉と栄光
13 旅=〈脱自己〉の喜び
14 パリとローマ
15 弱虫人間の覚悟
16 結婚のルール、恋愛のルール 性愛のルール
17 孤独への誘い
18 人間はいかなる動物か
19 静かにこっそりと死ぬ
20 想像力について
21 快楽こそ人生の目的
22 書くことと生きること
あとがき

お詫びと訂正

本書第1刷(2024年3月1日発行)10頁に、次の誤植がございました。
謹んでお詫び申し上げ、ここに訂正いたします。

(誤) 紀元二千年

(正) 紀元二千六百年

「老いを飼い慣らす」哲学を学ぶ

編集者からひとこと(WEBみすずサイト「新刊紹介」)

書評情報

「老い生き切る知恵と勇気」
日本経済新聞 2024年6月22日