ロールズ 哲学史講義 上【新装版】
判型 | A5判 |
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頁数 | 328頁 |
定価 | 8,140円 (本体:7,400円) |
ISBN | 978-4-622-09713-6 |
Cコード | C1031 |
発行日 | 2024年5月16日 |
判型 | A5判 |
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頁数 | 328頁 |
定価 | 8,140円 (本体:7,400円) |
ISBN | 978-4-622-09713-6 |
Cコード | C1031 |
発行日 | 2024年5月16日 |
「道徳哲学の歴史に関するロールズの思想の中心にあるもの、それは、わたしたちの伝統がもつ偉大なテキストのなかに、人生をいかに生きるべきかに関する多くの困難きわまりない諸問題に甘んじてかかわろうとする、偉大な知性たちの努力を見ることができる、という考え方である。」(「編者の緒言」より)
『正義論』によって現代の政治哲学に深甚な影響を与えたロールズ教授の、30年におよぶハーバード大学での道徳哲学をめぐる名講義をまとめた大冊である。
穏やかな情念と厳密な理性の連携が、合理的熟慮と人為的徳を導き、そこから生ずる道徳感覚は、人間本性に内在する自然な事実である、とするヒュームの心理学的自然主義。神が創造した最善の世界のもとで、自発的で個別的な理性的魂が、各々の内なる知性の自由を表現する、というライプニッツの形而上学的完全性主義。そして、理性の理念としての道徳法則に基づき、総合的かつア・プリオリな定言命法を定式化する、カントの純粋実践理性の批判へ。
『人間本性論』や『道徳形而上学の基礎づけ』といった、道徳哲学の古典の詳細な読解をつうじて、道徳的構想が担う社会の公共的秩序と構造を探究する、ロールズ版哲学史の精髄。全2巻。
[初版2005年2月22日発行]
編者の緒言
序論 近代哲学——1600年から1800年まで
第1節 古典道徳哲学と近代道徳哲学
第2節 ギリシアの道徳哲学の主要問題
第3節 近代道徳哲学の背景
第4節 近代道徳哲学の諸問題
第5節 宗教と科学の関係
第6節 科学と宗教に関するカントの見解
第7節 歴史的文献の研究について
ヒューム
ヒューム I 心理学化された道徳性、ならびに情念
第1節 背景——懐疑論と自然信仰主義
第2節 情念の分類
第3節 第2巻第3部第3節の梗概
第4節 (道徳外的)熟慮についてのヒュームの説明——公式見解
ヒューム II 合理的熟慮と理性の役割
第1節 ヒュームの公式見解をめぐる三つの問い
第2節 三つのさらなる心理学的原理
第3節 諸情念の体系を変容させるものとしての熟慮
第4節 善への一般的欲求
第5節 善への一般的欲求——情念であるか原則であるか
ヒューム III 人為的徳としての正義
第1節 諸学の首都
第2節 ヒュームの問題の諸要素
第3節 正義と所有権の起源
第4節 正義の事情
第5節 コンヴェンションの観念
第6節 諸コンヴェンションの最善の機構としての正義
第7節 発展の二つの段階
ヒューム IV 理性主義的直観主義への批判
第1節 序論
第2節 クラークのおもな主張のいくつか
第3節 正と不正の内容
第4節 理性主義的直観主義の道徳心理学
第5節 ヒュームによる理性主義的直観主義批判
第6節 ヒュームの第二の議論——道徳性は論証可能ではない
ヒューム V 思慮ある観察者
第1節 序論
第2節 共感に関するヒュームの説明
第3節 第一の反論——思慮ある観察者という考え方
第4節 第二の反論——ぼろをまとった徳もなお徳である
第5節 道徳感情の認識論的役割
第6節 ヒュームには実践理性の概念があるか
第7節 『本性論』の最終節
付録 ヒュームによる『本性論』の否認
ライプニッツ
ライプニッツ I その形而上学的完全性主義
第1節 序論
第2節 ライプニッツの形而上学的完全性主義
第3節 完全性という概念
第4節 ライプニッツにおける真理の主語内述語説
第5節 ライプニッツの真理観にたいするコメント
ライプニッツ II 態動実体としての魂——その自由
第1節 完璧な個体概念は活動力を含む
第2節 個別的理性的個体としての魂
第3節 真の自由
第4節 理性、判断、意志
第5節 実践的観点についてのノート
カント
カント I 『基礎づけ』——序文と第1章
第1節 導入のためのコメント
第2節 序文に関するいくつかの点——第11−13段落
第3節 純粋意志という理念
第4節 『基礎づけ』第1章のおもな議論
第5節 善意志の絶対的価値
第6節 理性の特別な目的
第7節 善意志の二つの役割
カント II 定言命法——第一の定式化
第1節 序論
第2節 理想的な道徳的行為者の特徴
第3節 CI手続き、四つのステップ
第4節 カントの第二の例——守るつもりのない約束
第5節 カントの第四の例——無関心という格率
第6節 与件への二つの約束
第7節 動機の構造
カント III 定言命法——第二の定式化
第1節 定式化相互の関係
第2節 第二の定式化の言明
第3節 正義という義務と徳という義務
第4節 人間性とは何か?
第5節 消極的解釈
第6節 積極的解釈
第7節 結論——『基礎づけ』第2章(46-47[427-429])への注解
カント IV 定言命法——第三の定式化
第1節 道徳法則へ足を踏み入れる
第2節 自立の定式化とその解釈
第3節 理性の至高性
第4節 目的の国
第5節 道徳法則を直観に近づける
第6節 アナロジーは何か?