ルソー 透明と障害【新装版】

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 472頁 |
定価 | 5,170円 (本体:4,700円) |
ISBN | 978-4-622-09742-6 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2024年9月17日 |

判型 | 四六判 |
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頁数 | 472頁 |
定価 | 5,170円 (本体:4,700円) |
ISBN | 978-4-622-09742-6 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2024年9月17日 |
冒険家、夢想家、作家、政治思想家、音楽家、被迫害者、ジャン=ジャックはそれらの全てであった。スタロバンスキーは、こうした多様な領域にわたるルソーの営為を、厳密なテクストの解読を通して、諸傾向の分散と意図の一貫性の両者のなかに把握する。
ルソーがやむことなくその全生涯を賭して実現しようとしたものは、純粋な自我の確立とその他者による承認であり、それにもとづく人間相互のトータルな理解と交流であり、それこそまさに精神の〈透明〉なのである。ルソーはこのような欲求を疎外するいっさいの〈障害〉に根源的・実存的に対立し、透明なるものを復権しようとする。
スタロバンスキーは、ルソーを崩壊させかねなかった彼の精神的緊張の問題に関心を集中し、その作品群のなかに分け入って、〈透明〉をキイ概念として、精巧で詳細な内面的伝記を構成した。ルソー研究の画期的な業績。
[初版表題『透明と障害——ルソーの世界』1973年11月発行]
序文
I
『学問芸術論』
「外観がわたしを罰したのだ」
分割された時間と透明の神話
歴史的知識と詩的幻想
グラウコス神
人間と神を弁明する弁神論
II
社会批判
本源的な純潔
労働、省察、自尊心
革命による止揚
教育による止揚
III
孤独
「いまや自己の意見を定めよう」
しかし統一は自然のものであろうか
内面の矛盾
魔術
IV
ヴェールに被われた像
キリスト
ガラテアの像
真実暴露(デヴォアルマン)の理論
V
ラ・ヌーヴェル・エロイーズ
音楽と透明
哀切(エレジアック)の感情
祭り
平等
経済
神格化
ジュリーの死
VI
誤解
回帰
「ただ一言もいうことができずに」
徴候(シーニュ)の力
愛の交流
エグジビシォニスム
家庭教師
VII
自伝の問題
いかにして自分を描きうるのか
すべてを語ること
VIII
病
省察の有罪性
障害
沈黙
無為
植物的友情
IX
終身の禁錮
実現された志向
二つの法廷
X
水晶の透明
審判
「こうしてわたしは地上でただひとりになってしまった」
註
あとがき/再版にあたって