将軍の都の客人
越後の寺娘・常野、江戸を訪う
STRANGER IN THE SHOGUN'S CITY
A Japanese Woman and Her World

| 判型 | 四六判 |
|---|---|
| 頁数 | 352頁 |
| 定価 | 3,740円 (本体:3,400円) |
| ISBN | 978-4-622-09750-1 |
| Cコード | C0021 |
| 発行予定日 | 2026年3月16日予定 |

STRANGER IN THE SHOGUN'S CITY
A Japanese Woman and Her World

| 判型 | 四六判 |
|---|---|
| 頁数 | 352頁 |
| 定価 | 3,740円 (本体:3,400円) |
| ISBN | 978-4-622-09750-1 |
| Cコード | C0021 |
| 発行予定日 | 2026年3月16日予定 |

「さてわたくし、ふといど(江戸)かんだ(神田)みな(皆)川町へまへ(参)り、なんぎ(難儀)いたし候(私は思いがけず江戸の神田皆川町へ参りましたが、とても大変な思いをしました)」
1839(天保10)年の秋、越後(現・新潟県)の実家の母のもとに送られた一通の書状。差出人の娘・常野(つねの)は、決意を胸に、ひそかに故郷を捨てて江戸へと旅立っていた――。本書は、19世紀前半の日本に実在したある女性の起伏に富んだ生涯を、アメリカの日本史研究者が解き明かす歴史書である。
1804(文化元)年春、越後は石神(いしがみ)村の浄土真宗の寺・林泉寺(りんせんじ)に生まれた常野は、3度の離縁をへて36歳で江戸へ出奔。旗本・松平友三郎や歌舞伎役者・岩井半四郎が所有する屋敷での下女奉公で自活する日々。同郷の幼馴染・博輔(ひろすけ)との再縁と破局、帰郷。南町奉行・遠山左衛門尉景元(名奉行「遠山の金さん」のモデル)に仕官がかなった博輔に請われ、再び江戸へ。一方、国内外の状況は大きくうねり、米提督ペリーの来航が目前に迫っていた。
常野が林泉寺の家族と取り交わした約130通におよぶ書状や、『北越雪譜』から安政の鯰絵にいたる同時代の多彩な史・資料をもとに、彼女の実像と江戸後期を生きた人々の息吹を蘇らせる。ピュリッツァー賞最終候補(伝記部門)、全米批評家協会賞受賞、中・韓・独・西・露など多言語に翻訳されている世界的話題作。
事実は小説よりも奇なり。予測のつかない常野の人生に、ページを捲る手が止まりません
――髙田郁(小説家。「みをつくし料理帖」「あきない世傳 金と銀」「志記」シリーズほか)
田舎を捨ててスリル満点の大都会の孤独へと飛びこむ姿、なんども過ちを重ねる常野の姿が、琴線に触れる読みやすい物語としてつむがれる……ドキュメンタリーと文学的考古学が生んだ小さな奇跡
――リチャード・ロイド・パリー(『ザ・タイムズ』アジア編集長。『狂気の時代』『黒い迷宮』『津波の霊たち』)
19世紀の日本で、人並はずれた決心を抱いたある庶民の女性を、想像力を駆使して蘇らせた物語。常野の心の内と、彼女を打ちのめす社会をとらえ、その物語を圧倒的な力で歴史のなかに刻みつけている
――キャロル・グラック(コロンビア大学名誉教授。『戦争の記憶』)
日本語版に寄せて
登場人物
地図(日本全図、頸城郡、江戸)
プロローグ
第一章 はるか遠い場所で
第二章 家を離れて嫁ぐ
第三章 江戸へ
第四章 長屋からの眺め
第五章 冬の侍
第六章 都市の装い
第七章 家の揉めごと、国の内乱
第八章 町奉行所にて
第九章 常野は去り、江戸は引き継がれる
エピローグ
謝辞
訳者あとがき(石垣賀子)
解説(原直史)
原注/参考文献/索引