父、松本竣介 電子書籍あり

判型 | A5変型 |
---|---|
頁数 | 384頁 |
定価 | 4,400円 (本体:4,000円) |
ISBN | 978-4-622-09753-2 |
Cコード | C0071 |
発行日 | 2025年1月10日 |
電子書籍配信開始日 | 2025年2月20日 |

判型 | A5変型 |
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頁数 | 384頁 |
定価 | 4,400円 (本体:4,000円) |
ISBN | 978-4-622-09753-2 |
Cコード | C0071 |
発行日 | 2025年1月10日 |
電子書籍配信開始日 | 2025年2月20日 |
そして松本竣介は宝石のようだった。
――奈良美智(美術家)
「竣介の人生を振り返る上で鍵となるのは、病のため13歳で聴覚を失う凶事に見舞われながら、耳の聞こえないハンディキャップを克服し、人生に敢然と立ち向かったその生き様です」(「はじめに」より)
松本竣介の作品は広く知られ、多くの人々に愛好されている。青く透明感のある都会風景、あるいは都市の一隅にある建物、あるいはマルスブラウンを基調とする身近な人物……。
夭折の画家松本竣介(1912-48)。本書は竣介の次男で、その絵の中にも描かれている莞による評伝である。日中戦争・太平洋戦争から敗戦に至る困難な時代、花巻、盛岡の風土に育ち、東京で画家仲間たちと青春の日々を過ごし、家族と芸術を守ろうとした若き画家の生涯が、これまでの調査・研究や残された多数の資料を基に、家族に伝わる逸話や思い出を織り交ぜながら丹念に辿られる。
また、36歳で没した当時、ほぼ無名の画家だった竣介を世に送り出し、評価した人々も、本書のもう一つの主題である。画家仲間、研究者、画商たちをめぐる回想からは、戦後日本の美術界の人間風景が浮かび上がってくる。 それは松本竣介の評価の歴史に対する証言としても貴重である。
父の匂いを忘れまいとする著者の思いが、この一冊に結実した。
本書カバー表 Y市の橋(1944年頃)
本書カバー裏 竣介と莞(1940年頃)
本書表紙
裏表紙
はじめに
第一章 佐藤俊介――父勝身と「生長の家」
花巻での幼年期
盛岡での少年期
俊介の病 聴覚を失って
画家への目覚め
上京 太平洋画会研究所
赤豆アトリエ
佐藤勝身と「生長の家」
俊介と「生長の家」、禎子との出会い
第二章 松本家の人々――『雜記帳』と禎子
松本肇と恒
谷口雅春との出会いと自由学園
俊介・禎子の交際
俊介の分身、蔵書
画家佐藤俊介の仕事
結婚 佐藤俊介から松本俊介へ
念願の『雜記帳』発刊
長男晋の死
『雜記帳』の終焉
第三章 「生きてゐる画家」――莞と俊介
太平洋戦争突入までの仕事
「生きてゐる画家」
《画家の像》と戦争画
太平洋戦争開戦と《立てる像》
幻の二〇〇号作品
「新人画会」そして俊介から竣介に
父竣介と私の時間
竣介のコミュニケーション能力
絵画制作の原点 デッサン
竣介の街歩きとスケッチ
作品制作のプロセス
第四章 戦火の下で――疎開と終戦
戦時中の松本家
松本家の疎開
孤軍奮闘の竣介
終戦――敗戦
占領への恐怖
出版事業への飽くなき挑戦
混乱を極める社会情勢
私の国民学校入学と松江の生活
第五章 再出発――洋子そして竣介の死
美術界再生への提言
絵画制作の再開
難航する家族の引揚げ計画
松江から、父竣介のもとへ
フランス行きの夢
長女洋子の死
父竣介の死
第六章 禎子の戦い――遺作と遺産
主のいないアトリエ
竣介の死を悼む仲間たち
故松本竣介遺作特別陳列と『松本竣介画集』の刊行
鶴岡政男《夜の群像》と幻の一〇〇号作品
困窮に立ち向かった禎子
手元を離れた作品たちと禎子の仕事ぶり
竣介の遺産「結核」の決着まで
第七章 竣介を識る旅――美術館と画廊の人々
神奈川県立近代美術館での初回顧展
画商との出会い 兜屋画廊と南天子画廊
朝日晃という人
「松本竣介記念室」と畑山昇麓との因縁
叔母松本栄子のこと
ついに戻らなかった《運河風景》
竣介にとりつかれた男・大川栄二
禎子の「綜合工房」
私の盛岡、そして上田浩司
大川栄二、美術館をつくる
節目となった二つの回顧展
間違いが広まること
新しい「竣介像」を拓く展覧会
あとがき
松本竣介 関連年譜
松本竣介 関連系図
収録作品一覧