暗黒のアメリカ
第一次世界大戦と追い詰められる民主主義
AMERICAN MIDNIGHT
The Great War, a Violent Peace, and Democracy's Forgotten Crisis

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 488頁 |
定価 | 4,950円 (本体:4,500円) |
ISBN | 978-4-622-09804-1 |
Cコード | C0031 |
発行予定日 | 2025年9月16日予定 |

AMERICAN MIDNIGHT
The Great War, a Violent Peace, and Democracy's Forgotten Crisis
判型 | 四六判 |
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頁数 | 488頁 |
定価 | 4,950円 (本体:4,500円) |
ISBN | 978-4-622-09804-1 |
Cコード | C0031 |
発行予定日 | 2025年9月16日予定 |
〈敵意も、利己的な目標もなく戦い、自らのためには何も求めません〉。1917年4月の米連邦議会、その後1世紀にわたって踏襲される調子で、ウィルソン大統領は第一次世界大戦参戦への理解を求めた。
輝かしい大義とは裏腹に、国内では権力者が移民への敵意を煽り、出版物を検閲し、兵役を拒む人びとを虐待した。多くの民間人も暴力の潮流に積極的に掉さし、黒人がリンチされ、司法省の補助部隊として非愛国者を取り締まる自警団的組織(APL)も現れた。
戦場の砲声は1918年11月に止んだ。だが、国内の暴力と抑圧は収まらなかった。民主党の候補者として大統領選出馬を目論む司法長官パーマーは苛烈な弾圧を行なった。後にFBI長官として暗躍することになるフーヴァーも、このとき出世の糸口を摑んだ。共和党からの出馬を目指す有力者ウッド将軍は、指揮下の兵士を駆使して共産主義者を「S・O・S――送り返すか撃ち殺す!」と標榜し、力強さを喧伝した。
しかし、戦争・差別・抑圧の大波に抗った人びともいた。参戦に反対した数少ない上院議員のラフォレット、人種間公正を求めたブラックの知識人デュボイス、信念を貫いた社会主義者デブズ、多くの支持者を得たアナキストであるエマ・ゴールドマン……。勇気ある人びとの肖像も本書は描く。
敵意が渦巻く政治空間に生きる21世紀人のための、傑作ノンフィクション。
プロローグ 今は尋常な時代ではない
第I部
第1章 歓喜の涙
第2章 いざ肩に銃をかつげば
第3章 枢機卿が戦争を始める
第4章 その美しさにうっとりして
第5章 行く手を阻む者ども
第6章 暗黒の兵士
第7章 兄を撃ち殺す
第8章 悪賢い男、危険な女
第9章 水責め
第10章 もう非愛国的だとは言わせない!
第11章 カット、シャッフル、ディール
第12章 チアリーダー
第13章 平和?
第II部
第14章 救世主の再来
第15章 燃え上がる世界
第16章 ずるく狡猾な目
第17章 大海原
第18章 これ以上は無理だ
第19章 タグボートの調理場で
第20章 こういう男があなたを支配することになる
第21章 赤を見る
第22章 冷静だが炎のような小柄な男性
第23章 警官と探偵
第24章 嵐のあと
謝辞
索引/原注/主要参考文献