みすず書房
近刊

アフター安保1960

戦後日本の岐路をさぐる

JAPAN AT THE CROSSROADS

Conflict and Compromise after Anpo

判型 四六判
頁数 368頁
定価 4,400円 (本体:4,000円)
ISBN 978-4-622-09879-9
Cコード C0031
発行予定日 2026年10月16日予定
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アフター安保1960

1960年、日本社会は「安保闘争」を経験した。日米安全保障条約の改定阻止をめざしたこの国民運動は、左派の組織力と反動的な岸信介内閣への危機感から、最大33万人が国会を取り巻き、全国でも推計3000万人が参加する盛り上がりを見せた。しかし、戦後最大の民衆抗議運動となったその熱気を、現在の私たちが想像するのは難しい。それはなぜか? 60年安保「後」の日本社会に生じた変化を探るため、日米関係、政治、文化、芸術までを横断し検証する。アメリカの日本現代史研究者による類例なき1冊。

ダワーが「戦後」を書いたように、カプーアは「安保後」を書いた。日米関係、政治、運動、思想、文化など総体の岐路として、である。個別には知っているはずの事実が独自につなぎ合わされ、違う構図が提示される。これこそ「日本人以外の歴史学者」ならではの仕事だ
――小熊英二

60年安保を岐路と位置づけ、政治や文化など幅広い視野から描く。アメリカの日本現代史研究の最前線を知る必読書
――中北浩爾

安保闘争は未来をひらく「革命」だった。戦後秩序が崩れるいま、再び「革命」を想像するために
――三牧聖子

目次

日本語版に寄せて

はじめに
ナショナル・アイデンティティの危機
60年安保闘争

第一章 日米同盟の再構築
「残忍な圧力」から「イコール・パートナーシップ」へ
1961年のケネディ=池田首脳会談
協議の枠組みが固まる

第二章 保守支配の安定化
「寛容と忍耐」
党内の派閥を手懐ける
池田勇人の所得倍増計画

第三章 野党の衰退
民主社会党の結成
安保闘争後の社会党
共産党の平和路線

第四章 1960年連合の崩壊
安保後の総評と労働運動
全学連の分裂と新左翼の台頭
知識人の退却
吉本隆明と全学連
清水幾太郎と国民会議
民主主義の擁護者としての丸山眞男
「安保精神」を引き継ぐ新しい運動

第五章 文学と芸術の新しい方向
視覚芸術──桂川寛・尾藤豊の絵画から赤瀬川原平とネオ・ダダまで
演劇──新劇から青年芸術劇場などのアングラ演劇まで
文学──パルタイ論争から中野重治、大江健三郎まで

第六章 表現をめぐる状況の再編
法廷──抗議デモを制限する「公安条例」の合憲判決
警察──組織拡大と「立法手続不要路線」
マスメディア──自己検閲と政府・実業界からの圧力
右翼の再生──団体数の急増と数々の襲撃・暗殺事件

おわりに
新しいナショナル・アイデンティティ
60年安保体制
革命としての60年安保

謝辞
原注
索引