みすず書房

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『パウル・クレー』『語るピカソ』

フェリックス・クレー『パウル・クレー』(矢内原伊作・土肥美夫訳)新装版
ブラッサイ『語るピカソ』(飯島耕一・大岡信訳)復刊

みすず書房には、芸術家の伝記・自伝・評伝にかんする刊行書がたくさんあり、その多くが定評ある基本文献としてながく読みつがれています。それらロングセラーの中からこの秋、2点を復刊いたします。

パウル・クレーの子息フェリックスがまとめた父クレーの評伝『パウル・クレー』。父の思い出と父への愛情をいうまでもなく母胎にして、一人息子として他の誰よりもよく知るクレーの生活と制作を描き、しかし主観的告白に陥るのを避けるために、豊富な資料を縦横に駆使して綿密な考証をおこなった重要な評伝です。
さらにクレーが家族にあてた手紙、カンディンスキーやフランツ・マルクなど友人との往復書簡、日記、写真、草稿、デッサンなどのほかバウハウス講義も収め、クレーの内的世界の理解にとっても美術史的にもかけがえのない一書です。

いっぽう『語るピカソ』は、写真家ブラッサイが親友ピカソの83歳の誕生日に捧げた本です。30年の交遊の回想に、日々の創造の歓びがあふれ、ピカソの周囲には女友達、画商、芸術家たちが渦巻いては散っていきます。
『語るピカソ』は10月末復刊となります。

なお、かつて新潮社から刊行されていた『クレーの日記』も、日本パウル・クレー協会の協力により、新編集・新訳の『クレーの日記』新版として来春刊行の予定です。ご期待下さい。

■展覧会のご案内

「巨匠ピカソ」(国立新美術館/サントリー美術館)

ともに東京・六本木にある国立新美術館とサントリー美術館の二館で、いずれも12月14日(日)まで、大規模なピカソ展が開催されています。国立新美術館の「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」展では、油絵を中心に彫刻、素描など約170点の展示により大河のようなピカソ芸術の流れが語られます。いっぽうサントリー美術館の「巨匠ピカソ 魂のポートレート」展は、国際巡回展でも唯一の構成という、自画像を中心とする約60点の展示をとおしてピカソの内面に迫ります。相補いながらピカソの全容を照らしだそうとする同時開催の展覧会としてさまざまに話題になっています。
http://www.nact.jp/
http://www.suntory.co.jp/sma/

「20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代展」(名古屋市美術館)

名古屋市美術館では12月14日(日)まで、開館20周年を記念する展覧会が開かれています。ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館が所蔵するヨーロッパ屈指のコレクションから、ピカソとクレーを中心に、23作家の名作65点の展示です。
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/tenrankai/2008/picasso_klee/

この展覧会は来春早々、東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムへ巡回し、2009年1月2日(金)から3月22日(日)まで開かれる予定です。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/

■みすず美術カレンダー 2009ご注文受付中

2009年のみすず美術カレンダーは、特集「クレーの世界」です。「幼稚園の天使」「駱駝(リズミカルな樹々の風景の中の)」などの名画からクレー10歳の画まで全7枚。サイズ、価格、お申し込みなど詳しくは「みすず美術カレンダー 2009」のご案内ページをごらんください。

 



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