みすず書房

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中井久夫『記憶の肖像』『家族の深淵』

ほかエッセイ集5冊を一斉増刷[1月15日出来]

第一エッセイ集『記憶の肖像』(1992年)、毎日出版文化賞を受けた第二エッセイ集『家族の深淵』(1996年)、そして第三エッセイ集『アリアドネからの糸』(1997年)、第四エッセイ集『清陰星雨』(2002年)。また、ヨーロッパ文化の宗教的倫理観・人間観との関連のなかで、精神医学がいかに生まれ展開したか、幾多の分水嶺をもちながら古代から現代にいたる精神医学史の流れを一望のもとに捉えた掌冊『西欧精神医学背景史』(1999年)。昨今は入手困難になっていた著作を含め、中井久夫のエッセイ5冊を今月15日にそろえて重版・復刊いたします。

第50回毎日出版文化賞第2部門(人文・社会)の選評は、須賀敦子の手になる文章でした。「神戸在住の精神科医、中井久夫氏のエッセー集『家族の深淵』は、昏迷に惑う患者と医師の夜の対話をめぐる印象深い表題作をはじめ、病者への誠実さが論理の透徹とあいまって光る「精神病棟の設計に参与する」など、どれもユニークで魅力的な文章だ。でも、中井氏の関心は精神医学にとどまらない。独自の視点から、あるときは学園紛争の心理的な背景をさぐり(学歴社会と大学の存在価値は本来は別個であるという、いまの日本では忘れられがちな指摘は貴重)、また」……
(毎日新聞1996年11月3日)

『時のしずく』(2005年)、『関与と観察』(2005年)、『樹をみつめて』(2006年)、『日時計の影』(2008年)、『臨床瑣談』(2008年)、『続 臨床瑣談』(2009年)と紡がれてゆくその後のエッセイ集、さらに、医師と生活者の仲介者でありたいとの姿勢で書かれた実用的助言集ともいうべき、やや異色の最新エッセイ『臨床瑣談』『続 臨床瑣談』(2008、2009年)とあわせて、どうぞお手もとに。

  • 中井久夫『記憶の肖像』  3150円
  • 中井久夫『家族の深淵』  3150円
  • 中井久夫『アリアドネからの糸』  3150円
  • 中井久夫『清陰星雨』  2625円
  • 中井久夫『西欧精神医学背景史』  2310円



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