社会帝国主義史
イギリスの経験 1895-1914
IMPERIALISM AND SOCIAL REFORM
English Social-Imperial Thought, 1895-1914

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 356頁 |
定価 | 3,300円 (本体:3,000円) |
ISBN | 978-4-622-00599-5 |
Cコード | C1022 |
発行日 | 1982年11月30日 |
備考 | 現在品切 |

IMPERIALISM AND SOCIAL REFORM
English Social-Imperial Thought, 1895-1914
判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 356頁 |
定価 | 3,300円 (本体:3,000円) |
ISBN | 978-4-622-00599-5 |
Cコード | C1022 |
発行日 | 1982年11月30日 |
備考 | 現在品切 |
〈社会帝国主義〉とは、帝国主義のための大衆的基盤を、労働者階級への社会政策によって準備しようとする試みである。この書は、イギリスにおけるそのイデオローグたちの思想と行為の分析に捧げられた最初の書である。とともに、そこには世紀末から第一次世界大戦前夜にいたる時代転換のダイナミズムもみごとに写されている。
著者は、二つの帝国主義の存在を指摘する。一つは、ローズベリ、アスキス等の自由主義的帝国主義であり、他の一つは、それに対抗するジョセフ・チェンバレンと彼の率いる関税改革同盟を始めとする社会帝国主義である。著者は彼等の具体的政策の展開と同時に、個々人の抱く社会帝国主義の概念をも探求する。その驚くほど多彩な名を挙げれば、フェビアン協会のウェブ夫妻とバーナード・ショウ、『クラリオン』の編集者ブラッチフォード、社会進化論者のカール・ピアスンとベンジャミン・キッド、経済史学者のアシュリーとカニンガム、そして地政学の祖マッキンダー等の名が、各章を構成している。
社会帝国主義は、自由主義と国際主義に対抗するイデオロギーとして、労働者階級に対する選挙権の拡大、老齢年金、国民保険といったドイツのビスマルクにならう社会改革によって、大英帝国を福祉国家の先駆となした。と同時に〈未完の帝国主義〉としての面は、1930年代の全体主義の舞台に悲劇的な様相で再登場し、20世紀の大きな歴史的要素となった。
センメルのこの書は、帝国主義研究への新しい道、従来の外的側面に対して、いわばその内的側面へと向かう新鮮な視角の書である。
序文
第1章 社会帝国主義
第2章 社会進化論――ベンジャミン・キッドとカール・ピアスン
第3章 国家的効率主義の党派――自由帝国主義者とフェビアン主義者
第4章 ジョセフ・チェンバレンの「狡猾な議論」
第5章 関税改革同盟の社会帝国主義
第6章 フェビアン主義と自由帝国主義、1903-1914年
第7章 二つの帝国主義
第8章 ハルフォード・マッキンダー卿――帝国主義の理論家
第9章 ミルナー子爵――社会帝国主義的理想論者
第10章 ウィリアム・カニンガム――国民経済学者
第11章 「講壇社会主義者」ウィリアム・アシュリー卿
第12章 ロバーツ卿およびロバート・ブラッチフォード
第13章 終章
訳者あとがき
訳注
原注
文献目録
事項索引
人名索引