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知覚の現象学 2

PHENOMENOLOGIE DE LA PERCEPTION

VOL. 2


「たとえば、〈あられ〉という語は、私がいま紙のうえに記したばかりのこの文字のことでもなければ、私がいつか、はじめて書物のなかで読んだあのもうひとつの記号のことでもないし、さらにまた、私がこの語を発音したとき空気をよぎって行ったあの音のことでもない。そうしたものは、語の再生産形態でしかないので、私はたしかに、それらの再生産形態のすべてに語をみとめはするけれども、語がそれらですべて尽くされてしまうというわけではないのだ。……語の意味というものは、対象のもつ若干の物的諸特性によってつくられてはいず、それはなによりも、その対象が或る人間的経験のなかでとる局面、たとえば〈あられ〉という語の意味なら、空からすっかりできあがって降ってきたこの固く、もろく、水に溶けやすい粒々のまえでの私のおどろきのことなのだ。それは人間的なものと非人間的なものとのひとつの出会いであり、いわば世界の或る行動、そのスタイルの或る屈折であって、またその意味の一般性も、語音のそれとまったくおなじく、概念の一般性ではなくて、典型としての世界の一般性である。してみると、言語はたしかに言語の意識を、意識の沈黙を前提としており、これが語る世界を包みこみ、ここからまずはじめに語が形状と意味とを受けとるわけである」(本文295~6頁より)。全2冊。



著訳者略歴

モーリス・メルロ=ポンティ
Maurice Merleau-Ponty

1908年フランスに生まれる。1926年エコール・ノルマル・シュペリュール入学。在学中サルトル、ボーヴォワール、レヴィ=ストロースらと知り合う。1930年哲学教授資格試験に合格。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
竹内芳郎
たけうち・よしろう

1924年生まれ。1943年東京大学法学部入学、1952年東京大学文学部卒業。哲学者。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
木田元
きだ・げん

1928年生まれ。1953年東北大学文学部卒業。中央大学名誉教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
宮本忠雄
みやもと・ただお

1930年埼玉県に生まれる。1954年東京医科歯科大学医学部卒業。精神医学専攻。元自治医科大学教授。1999年歿。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「知覚の現象学 2」の画像:

知覚の現象学 2

「知覚の現象学 2」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/448頁
定価 5,940円(本体5,400円)
ISBN 4-622-01934-5 C3010
1974年11月7日発行

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