知覚の現象学 2
PHENOMENOLOGIE DE LA PERCEPTION
判型 | A5判 |
---|---|
頁数 | 448頁 |
定価 | 6,160円 (本体:5,600円) |
ISBN | 978-4-622-01934-3 |
Cコード | C3010 |
発行日 | 1974年11月7日 |
備考 | 現在品切 |
PHENOMENOLOGIE DE LA PERCEPTION
判型 | A5判 |
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頁数 | 448頁 |
定価 | 6,160円 (本体:5,600円) |
ISBN | 978-4-622-01934-3 |
Cコード | C3010 |
発行日 | 1974年11月7日 |
備考 | 現在品切 |
「たとえば、〈あられ〉という語は、私がいま紙のうえに記したばかりのこの文字のことでもなければ、私がいつか、はじめて書物のなかで読んだあのもうひとつの記号のことでもないし、さらにまた、私がこの語を発音したとき空気をよぎって行ったあの音のことでもない。そうしたものは、語の再生産形態でしかないので、私はたしかに、それらの再生産形態のすべてに語をみとめはするけれども、語がそれらですべて尽くされてしまうというわけではないのだ。……語の意味というものは、対象のもつ若干の物的諸特性によってつくられてはいず、それはなによりも、その対象が或る人間的経験のなかでとる局面、たとえば〈あられ〉という語の意味なら、空からすっかりできあがって降ってきたこの固く、もろく、水に溶けやすい粒々のまえでの私のおどろきのことなのだ。それは人間的なものと非人間的なものとのひとつの出会いであり、いわば世界の或る行動、そのスタイルの或る屈折であって、またその意味の一般性も、語音のそれとまったくおなじく、概念の一般性ではなくて、典型としての世界の一般性である。してみると、言語はたしかに言語の意識を、意識の沈黙を前提としており、これが語る世界を包みこみ、ここからまずはじめに語が形状と意味とを受けとるわけである」(本文295〜6頁より)。全2冊。