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量子力学 I【第2版】


本書は、朝永教授みずから第1版に綿密な検討を加え、多くの改訂・増補がなされたものである。「量子力学の発展の真の精神を把握するのに驚嘆に値するほど成功しており、……量子力学を学ぶ学生すべてに推薦できる」(ウーレンベックの英語版に対する書評)ものとして、世界で広く認められている。著者は、量子力学が形成される過程で、いろいろなタイプの物理学者が、それぞれの思考方法を用いて、自然が提示する謎を解いていく道筋を、いわば追体験することを重視し、これが最も勉強になるのだとして、その例を豊富に示している。

第1巻の本書は、プランクとアインシュタインの量子論の出発点から、ラザフォードの原子核の発見とボーアの原子構造論、対応原理を経てハイゼンベルクのマトリックス力学にいたる道筋が巧みに描かれている。歴史的な形をとって記述が進められているにかかわらず、けっしていわゆる科学史によっているのではなく、多くの天才の考え方の秘密を明らかにするために素材を自己流に再編した、と著者は述べている。それはまた、科学史というもののあり方についての、清新な示唆ともなっている。


目次


序文
第2版序文

第1章 エネルギー量子の発見
1 事のおこり
2 比熱の理論
(i) 1原子理想気体
(ii) 2原子理想気体
(iii) 結晶体
(iv) 実験との比較
3 「真空」の比熱
4 Rayleigh-Jeansの公式
5 Wienの「ずれ」法則
(i) 断熱不変量
(ii) 空洞幅射の圧力
(iii) Stefan-Boltzmannの法則
(iv) 断熱的な体積変化のときの温度変化
(v) Wienの「ずれ」法則
6 Wienの公式
7 Planckの公式
8 エネルギー量子
9 比熱の量子論

第2章 光の粒子性
10 光量子仮説
11 空洞エネルギーのゆらぎ…
(i) Rayleigh-Jeansの場合のゆらぎ
(ii) Wienの揚合のゆらぎ
(iii) Planckの場合のゆらぎ
12 光電効果
13 Compton効果
(i) 光量子の運動量
(ii) X線散乱の量子論
(iii) 実験との比較
(iv) 反跳電子
(v) Compton-Simonの実験
14 光子ガス
15 粒子性と波動性

第3章 前期量子力学
16 原子の構造
(i) Zeeman効果
(ii) Thomsonの原子模型とNagaokaの原子模型
(iii) α線の散乱実験
(iv) Rutherfordの計算
(v) Rutherfordの結論
(vi) Rutherfordの原子模型の困難
17 原子のスペクトル
18 Bohrの理論
(i) 基本的な考え
(ii) 水素のエネルギー準位
(iii) 原子の大きさと磁気能率
19 量子条件
(i) Ehrenfestの断熱仮説
(iii) 1次元の周期運動系における断熱不変量
(iv) 1次元の周期系における量子条件
(v) 多重周期系に対する一般化
(vi) 例
20 水素原子の定常状態
21 方向量子
22 定常状態の実験的証明
(i) Franck-Hertzの実験
(ii) Stern-Gerlachの実験
23 Bohrの対応原理
(i) 対応原理の数学的土台
(ii) 遷移の確率
(iii) 例。振動子の場合
(iv) 選択規則
(v) 対応原理の指導的意味
24 回転運動および並進運動の量子化
(i) 回転の量子化
(ii) 並進運動

第4章 原子の殼状構造
25 光学的スペクトルの理論
26 X線スペクトル
27 原子の殼状構造と周期律
28 スペクトル・タームの多重構造と内部量子数
29 電子のスピンと固有磁気能率
30 Pauliの原理

第5章 マトリックス力学の誕生
31 困難解決の糸口
32 Heisenbergの発見
33 マトリックス力学
34 正準運動方程式とBohrの振動数関係
(i) 数学的準備
(ii) 「エネルギー一定」の法則とBohrの関係
35 固有値問題
(i) エネルギー一定法則の逆
(ii) ユニタリー変換
(iii) 固有値問題

付録
I Boltzmannの原理
(i) 力学系のトラジェクトリ
(ii) 滞在確率
(iii) Liouvilleの定理
(iv) 滞在確率の計算
(v) 熱溜の中に浸された系
(vi) 温度の導入
II 簡単な結晶モデル
III 連続的な弦の横振動
VI 光の振動を力学的に取り扱うこと
V 弦の横振動の圧力
VI 振動系の断熱不変量
VII 弦の振動におけるエネルギーのゆらぎ
VIII T=dJ/dWの別証

演習問題
索引


著訳者略歴

朝永振一郎
ともなが・しんいちろう

1906年、東京に生まれる。1929年、京都大学理学部物理学科卒業。東京教育大学教授、同大学学長を歴任。1965年度ノーベル物理学賞受賞。東京教育大学名誉教授。1979年歿。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


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量子力学 I【第2版】

「量子力学 I【第2版】」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/312頁
定価 3,780円(本体3,500円)
ISBN 4-622-02551-5 C3042
1969年12月20日発行

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