「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



過去と未来の間

政治思想への8試論

BETWEEN PAST AND FUTURE


〈洞窟の比喩では、哲学者は恒常なるイデアの天空への孤独な旅から戻ってくると、手にした真理を群衆に伝達しようとする。ところがその結果、真理はかれには幻想にも等しい多様な見解のうちに消え失せ、不確実な意見の水準に引き下げられ、こうして、かれが戻ってきた洞窟のなかでは真理そのものが「わたしにはそう見える」――哲学者が永久に捨て去ることを望んでいた意見(ドクサイ)そのもの――という形を装って現われるのである〉
(「真理と政治」)
著者ハンナ・アーレントは、古典ギリシャ以来の形而上学的伝統のなかで存在と思考の意味を問い、どうじに人間のコミュニケーション関係からなる現実世界に問題を提起しつづけた。真理と政治の矛盾のなかに彼女は人間の条件をとらえ、この矛盾を誠実に生き、かつ表現した。そこには師であったハイデガーとヤスパースの影響が色濃くみられる。
本書は、アーレントの思想のエッセンスとして、高い評価を得ているものである。歴史や伝統、権威と自由のありかたを根源から思考する一方で、現実の教育や大衆文化について、カントをもちだしながら描くその筆さばきは、見事という他ない。現代という時間の裂け目が、20世紀の時代と哲学と政治の交差点にいた一ユダヤ人女性のすべてが、ここには十全に表現されている。


目次


序 過去と未来の間の裂け目
第1章 伝統と近代
第2章 歴史の概念――古代と近代
第3章 権威とは何か
第4章 自由とは何か
第5章 教育の危機
第6章 文化の危機――その社会的・政治的意義
第7章 真理と政治
第8章 宇宙空間の征服と人間の身の丈

原註
訳註
訳者あとがき
事項索引
人名索引


著訳者略歴

ハンナ・アーレント
Hannah Arendt

1906年ドイツのハノーファー近郊リンデンに生まれる。マールブルク大学でハイデガーとブルとマンに、ハイデルベルク大学でヤスパースに、フライブルク大学でフッサールに学ぶ。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
引田隆也
ひきた・たかや

1953年に生まれる。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学、政治思想専攻。現在 東京国際大学教授。著書『政治思想の現在』(共著、早稲田大学出版部、1990)。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
齋藤純一
さいとう・じゅんいち

1958年に生まれる。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学。政治理論専攻。 現在 早稲田大学教授。 著書『公共性』(岩波書店、 2000)、 『政治と複雑性』(岩波書店、2008)。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「過去と未来の間」の画像:

過去と未来の間

「過去と未来の間」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/448頁
定価 5,280円(本体4,800円)
ISBN 4-622-03648-7 C1030
1994年9月7日発行

この本を購入する