分裂病は人間的過程である

1892年アメリカのニューヨーク州中央部に、アイルランド系移民の子として生れる。1917年シカゴ医学校を卒業、軍医を経て1923年頃から1930年にわたりシェパード・アンド・イノック・プラット病院に勤務、入院中の分裂病患者に対するインテンシヴな精神療法的接近を試みた。1930年代にはニューヨークで開業医として強迫神経症の治療にあたり、38年に発刊された『サイカイアトリー』の主筆となる。社会科学との交流、政治精神医学という新しい領域への活動を行ったが、1949年国際会議に出席のためパリに滞在中客死した。著書は本書のほか『現代精神医学の概念』『精神医学の臨床研究』『精神医学的面接』『精神医学は対人関係論である』『精神医学と社会科学の融合』『パーソナル・サイコパソロジー』など。

1934年奈良県に生れる。京都大学医学部卒業。現在甲南大学文学部人間科学科教授。著書『分裂病と人類』（東京大学出版会、1982）『精神科治療の覚書』（日本評論社、1982）『中井久夫著作集——精神医学の経験』全6巻別巻2（岩崎学術出版社、1984-91）『最終講義——分裂病私見』（みすず書房、1998）『西欧精神医学背景史』（みすず書房、1999）『治療文化論』（岩波書店、1990、2001）『看護のための精神医学』（医学書院、2001）、エッセイ集『清陰星雨』（みすず書房、2002）ほか。訳書にエレンベルガー『無意識の発見』上下（共訳、弘文堂、1980-81）のほか、みすず書房からはサリヴァン『精神医学の臨床研究』『精神医学的面接』『精神医学は対人関係論である』ハーマン『心的外傷と回復』バリント『一次愛と精神分析技法』（共訳）、『エランベルジェ著作集』（全3巻）パーナム『解離』などのほか、『現代ギリシャ詩選』『カヴァフィス全詩集』ヴァレリー『若きパルク／魅惑』などが刊行されている。

1960年大阪に生れる。1985年神戸大学医学部卒業。神戸大学附属病院精神科勤務を経て、神戸市西市民病院精神神経科医長を務める。2000年歿。著書『心の傷を癒すということ』（角川書店、2001）。訳書　パトナム『多重人格性障害』（共訳、岩崎学術出版社、2000）。

1961年大阪に生れる。1986年神戸大学医学部卒業。兵庫県立光風病院副医長、神戸大学医学部精神神経科助手等を経て、現在兵庫教育大学助教授（教育臨床）。著書『分裂病の精神病理と治療2-5』（共著、星和書店1989-1993）『中井久夫共著論文集』（共著、岩崎学術出版社、1991）。

1961年に生れる。1986年神戸大学医学部卒業。兵庫県立淡路病院精神科を経て、現在　医療法人こぶし 植苗病院勤務。

翻訳家。滋賀県大津市に生れる。1970年大阪外大仏語科卒業。訳書　Ｓ．Ｗ．シルバーマン『虐待 ダイナとセレストとわたし』（2000）Ｂ．ウッド『女性司祭』（2000）Ｎ．ロバーツ『スキャンダル』（1995）同『イリュージョン』（1998）Ｍ．オルシェイカー『女性刑事』（1997、以上講談社）Ｊ．エンゲルハート『幸福の条件』（扶桑社、1993）Ｋ．Ｇ．ボーン編『レンブラントエッチング全集』（三麗社、1981）。

1956年神戸市に生れる。1984年徳島大学医学部卒業。神戸大学医学部兵庫県立こども病院、沖縄県立八重山病院を経て、現在神戸大学大学院医学研究科精神神経科学分野助手。著書『乳幼児の精神衛生』（金原出版、1990、共著）。