ジャックとその主人

文学シリーズ lettres

JACQUES ET SON MAITRE

著者: ミラン・クンデラ

訳者: 近藤真理

判型	四六判
定価	2,090円（本体：1,900円）
ISBN	978-4-622-04598-4
Cコード	C0098
発行日	1996年5月8日
備考	現在品切

文学・エッセイ外国文学・詩

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クンデラによる傑作戯曲が、ようやく日本語になる。これが書かれたのはソ連軍のチェコ侵攻直後で、手書き原稿はプラハからパリへこっそりと持ち出された。「ペストの時代における気晴らし」として、ディドロの小説『運命論者ジャックとその主人』を自由に変奏してみせた本書は、ディドロから作り事の楽しみとユーモア、遊戯性と合理精神を受けつぎながら、今日という時代のメランコリーにも欠けていない。また序文は、クンデラによる小説の技法と自作へのコメントとして興味深い。

著訳者略歴

＊ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

ミラン・クンデラ

Milan Kundera

1929年、チェコスロヴァキアのプルノに生まれる。52年。プラハの音楽芸術大学映画学部卒業、同大学で文学を講義。75年、フランスのレンヌ大学客員教授。79年、チェコ市民権を剥奪される。81年、フランスの市民権を獲得。現在もフランスで作家活動を続ける。著書は本書の他に『冗談』（みすず書房）『微笑を誘う愛の物語』（集英社）『生は彼方に』（早川書房）『別れのワルツ』『笑いと忘却の書』『存在の耐えられない軽さ』（以上、集英社）『小説の精神』（法政大学出版局）『不滅』『緩やかさ』（以上、集英社）。

近藤真理

こんどう・まり

1960年、愛媛県生まれ。1984年、京都大学薬学部及び文学部フランス文学科卒業。1986年、パリ第三大学現代文学科修士課程修了。現在、通訳・翻訳家。一橋大学、杏林大学非常勤講師。訳書シルヴェスター『水』（TOTO出版、1992）ドゥクロス『水の世界』（監訳・村上陽一郎、TOTO出版、1994）メンツェル編『地球家族』（TOTO出版、1992）パルネイ『マリアの出現』（せりか書房、1996）。