カフカ、映画に行く
KAFKA GEHT INS KINO

判型 | A5変型 |
---|---|
頁数 | 208頁 |
定価 | 2,750円 (本体:2,500円) |
ISBN | 978-4-622-04707-0 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 1998年7月31日 |
備考 | 現在品切 |

KAFKA GEHT INS KINO
判型 | A5変型 |
---|---|
頁数 | 208頁 |
定価 | 2,750円 (本体:2,500円) |
ISBN | 978-4-622-04707-0 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 1998年7月31日 |
備考 | 現在品切 |
〈日記はまったくつけていません。なぜ日記をつけなければならないのかわからないのです。僕を心の奥深くで感動させるようなものに出会うことがない。それは、昨日のヴェローナのキネマトグラフの劇場でのように僕が泣いてしまうような場合も同じです。人間関係を楽しむことならできますが、それを体験するということがありません。〉(フェリーツェへの手紙 1913年10月29日)
「カフカの早い時期における日記や手紙のなかに、映画に言及されている箇所があることを初めて知ったのは1978年、カフカを題材とするテレビ映画を撮影していたときのことであった。映画への言及は広い範囲に拡散しており、ひどく謎めいているものも少なくない。その文章の調子は、映画を観に行くということに関して彼が抱いていた激しい感情を示唆するものであった。以来、私はこのテーマに本腰を入れて取り組むようになった。」
カフカは大の映画ファンだった。映画を注意ぶかく観察し、つねに〈書くこと〉との関係で考えつづけていた。さらに人生の無意味さを感じつつ「意識を失うほどの孤独」に陥るたびに、彼は映画館に通っていた。
カフカは、いつ・どこで・何を観たか。「白い奴隷女」「婿殿には公務員を」「男泣かせの女」「シオンへの帰還」等々、作家を魅了した映画の一つ一つを追跡し、斬新な手法でその文学と人物にアプローチした待望の書。