みすず書房

ミシェル・レリス日記 2

1945-1989

JOURNAL 1922-1990

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 464頁
定価 8,580円 (本体:7,800円)
ISBN 978-4-622-04737-7
Cコード C3098
発行日 2002年7月 4日
備考 現在品切
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ミシェル・レリス日記 2

マルクス主義革命の要請、キューバ革命、新中国の誕生など、政治的問題の数々から芸術運動上の革新、民族学、精神分析などの知的冒険に到るまで、二十世紀のさまざまな運動に巻き込まれ、これと向き合い、場合によっては自殺未遂行為に及ぶほどに自分自身を陰鬱な精神状態に追い込んで書かれなければならなかった記録がここにある。これはレリスにとっての「書物」もしくは「書物の鏡」というべきものである。文章上の彫琢がなされた完成品ではない。未完成というよりも、そもそも完成などあるべくもない、しかもトータルな何かを志向する身振りからなるテクスト空間、すなわち「幻の書物=書物の幻」そのものが物質化した姿がここにある。この『日記』がわれわれにとって貴重なのは、まさに状況に巻き込まれ、いわば見通しのよさなど望むべくもない悪天候のなかで低空飛行をつづけながら、執拗に書きつづけたというその一点にある。ここにあるのは、二度の大戦に見舞われたヨーロッパに生きたひとりの人間の等身大の姿、地上1メートル何十センチかの高さにある視点なのだ。