みすず書房

なじみの店 電子書籍あり

判型 四六変型
頁数 200頁
定価 2,420円 (本体:2,200円)
ISBN 978-4-622-04805-3
Cコード C1095
発行日 2001年3月2日
電子書籍配信開始日 2013年4月1日
備考 現在品切
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なじみの店

「毎朝、体操している。ラジオ体操をもとにして自分で工夫した。女子高の体育の先生と飲み屋で知り合って、教えてもらったのもつけ加えた。わが名の頭文字をとってIO式と称している。ちょっぴりITシステムと似ていなくもない……体操しているとすぐにわかるが、頭だけ仲間外れである。単に上にのっているだけ、へんに重いぶんジャマになるくらいのものだ。だからこそ、つねづね気にかけてきた。頭のほうも毎日、のばしたり、ひっぱったり、もみほぐしたりしなくてはなるまい……このエッセイ集は、そんな思いから自分に課した体操の成果である」(あとがき)

人生とは何か? こう正面切って尋ねられたら、たぶん誰でも答えに窮するし、だいいち照れくさい。では、どうするか? 論より証拠、実物を示すに如かず。さいわい、ここに〈生きた〉見本が歩いている。居酒屋や旅館・医者とのつきあい方から野宿・金銭・悟り方まで、あちこちをゆったり歩き回り、ふと小さな事件や風景にこだわる。人生百般、IO式の大人の生き方、〈頭の体操〉入門。

目次

I
一畳間の天下
なじみの店
なぜ悟れない
毛の効用
宿とカンコ鳥
人の顔
商いの不思議
使い捨て
途中下車

II
金が敵
子供の地図
シラミとノミ
ズドンのおじさん
可愛いお尻

III
医者と幼児語
野宿のすすめ
ひいきを持つ
遊びをせんとや
寿命の決め方
蔵を建てる
虫の知らせ
凶器の誕生
寄り道
いいかげん
定刻十分前

あとがき