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脳死と臓器移植の医療人類学<品切>

TWICE DEAD

ORGAN TRANSPLANTS AND THE REINVENTION OF DEATH


「Twice Dead(本書原題)はTwice Read(再読)されるべき本である。ロックは日本と北米における死生観や人体に関する考え方を、文化人類学的観点から考察する。説得力に満ちた筆致による本書は、科学・工学・医学の研究者、人類学者、そして〈人の死とは何か〉ということを考えるすべての人にとって、なくてはならない本になるであろう。読者は、多くの話に胸を打たれると同時に、解決のつかないジレンマを突きつけられる。そして、死が生と同様に一様なものではなく、状況によって左右されるものだということを、心に刻みつけられるのである」(ダナ・ハラウェイ)
脳死を人間の死とすることには、様々な医療・倫理上の問題が存在する。これは、死の定義、すなわち人間の生の定義の根幹に関わることと言えよう。
本書は医療人類学の手法で、死の意味、死の位置づけに多様な考察を試みた力作である。著者は、日本と北米の風習や死生観を比較考察しつつ、脳死・臓器移植を重層的に論じている。また、各章末には、著者自身が取材した体験者(家族)や関係者の生々しい心情の吐露、祈りのような声が記録されており、リアルな問題提起となっている。
ジャーナリスティックな文体を駆使し、構成に工夫が施されている本書は、医療現場での試行錯誤の事例分析や法制度・医療システムへの考察など、本テーマの用件を押さえた厳密な入門書にして重要な基本書である。


目次


はじめに
序章 事故死
外傷/臓器摘出/贈り物/死の影
第1章 不鮮明な境界と不確実なモラル
蘇生
第2章 最先端技術
すんでのところで
第3章 人はいつ死ぬのか
早とちり
第4章 統一化への努力
悲劇
第5章 日本と脳死問題
強引な臓器刈り
第6章 他者としての科学技術――日本の近代性と科学技術
脳死した母親からの誕生
第7章 行きづまりの打開――脳死論争の暫定的解決
日本のドナーカード
第8章 社会的な死と葬送儀礼
心を不安にする身体反応/一年経って
第9章 「人格」の死後も肉体が生き続ける場合
移植医の意見
第10章 人格が留まっている場合
音楽による克服
第11章 超越する肉体――キリスト教の伝統と臓器移植
裁判
第12章 人間の臓器の社会的生命
頼れる奴/知的障害者の移植
第13章 臓器移植と新しいドナー候補
疑わしい死の定義
終わりに
訳者あとがき
参考文献
索引


著訳者略歴

マーガレット・ロック
Margaret Lock

1936年、英国ケント州生まれ。カナダ在住。マギル大学医療社会学部・文化人類学部教授。カナダ・ロイヤル・ソサエティー会員。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
坂川雅子
さかがわ・まさこ

1934年、東京生まれ。東京大学大学院(英語・英文学専攻)修士課程修了。桐朋学園大学教授、長野県看護大学教授を経て、現在は翻訳家。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

市野川容孝(東京大学教授)
<東京新聞 2010年11月21日(日)>

この本の関連書


「脳死と臓器移植の医療人類学」の画像:

脳死と臓器移植の医療人類学

「脳死と臓器移植の医療人類学」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/400頁
定価 5,500円(本体5,000円)
ISBN 4-622-07083-9 C0047
2004年6月25日発行
<ただいま品切です>