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死を生きながら

イスラエル 1993-2003

DEATH AS A WAY OF LIFE


「雑音。この十年をふり返るとき、頭に浮かんでくる最初のことばはそれである。雑音だらけだった。銃声と怒声、挑発的なことば、悲しみに沈んだ嘆きの声、爆発、デモ、山ほどの決まり文句、テロ現場からの特別番組、報復を求める声、救急車の金属的なかん高いサイレンと、その上空を舞うヘリコプターの震動。毎回の事件のあと狂ったように鳴り響く電話のベル。だがこの旋風のような騒々しさのなかに、台風の目のような静けさがある。耳には聞こえないが、わたしの身体の隅々にそれが感じられる。それは悪い知らせを聞いてから実感できるまでのあいだ、殴られてから実際に苦痛を覚えるまでの短いあいだに感じるような沈黙である」

イスラエルとパレスチナ。二つの民族が一つの大地に共存することはできないのだろうか。本書は、エルサレム在住の作家が、この十年余をつぶさに観察した現場報告を中心にしている。1993年のオスロ合意調印からラビン暗殺、第二次インティファーダ、シャロン復活、9・11、イラク戦争、ロードマップ、2003年12月まで。リアルかつ希望を失わない41の文章は、かの地で起こっている現実を目の当たりにさせてくれる。イスラエル内部から「パレスチナ問題」を見つめた本書を、たとえばサイードの著作と並行して読むと、より立体的な像が浮き上がってくるだろう。


目次



1 オスロ合意調印――突然、人間的な接触が実現した
2 カイロ合意とアラファトの帰還
3 ホロコーストの記憶をはこぶ伝書鳩
4 第二オスロ合意――イスラエルへの疑問
5 ラビン首相暗殺
6 自爆テロのはじまり
7 会談に臨むネタニヤフ首相へ
8 マハネ・イェフダ市場の連続自爆テロ
9 人生は誰のもの
10 バラク首相のイスラエル・パレスチナ合意
11 追放されたパレスチナの洞窟居住者
12 イスラエル軍はただちにレバノンから撤退せよ
13 ヨハネ・パウロ二世、イスラエルを訪問
14 不調に終わったバラクとアラファトの首脳会談
15 ガザの少年死亡事件によせて
16 アル・アクサのインティファーダ――パレスチナの友へ
17 イスラエル人は入植地を手放せ
18 対話をしましょう、パレスチナのみなさん――公開書簡への応答
19 パレスチナ難民の帰還権という難題
20 バラク首相の辞任と後任選挙
21 シャロン新政権への不安
22 死を生きながら
23 国際社会の介入をのぞむ
24 二つの主権国家への道はないのか
25 9・11事件――セキュリティーという罠への警告
26 ゼエヴィ観光相の暗殺、イスラエル軍のラマラ侵攻
27 暴力という日常
28 テロ対軍事力の泥沼に思う
29 パレスチナの武器密輸船
30 カエサルばんざい!
31 共生という船の沈没
32 この戦いに勝者はない
33 イスラエルの壁の建設――悪しきフェンスは悪しき友人をつくる
34 インティファーダの二年間をふりかえる
35 占領を〈浄化〉するいつわりの物語
36 総選挙のあとで
37 シャロンよ、どちらの道を選ぶのか
38 希望と警戒
39 アラファトを傷つけると、何が起こるか
40 パイロットたちの声に耳をかたむけよう
41 ジュネーヴへの旅立ち
略年譜――第二次世界大戦後のイスラエルとパレスチナ
予言の鳥――訳者あとがき


著訳者略歴

デイヴィッド・グロスマン
David Grossman

1954年、エルサレムに生まれる。作家。ヘブライ大学で哲学と演劇を学び、1983年に長編小説『Hiuch Ha-Gedi(羊の微笑)』をヘブライ語で発表、創作活動に入る。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
二木麻里
ふたき・まり

1960年生まれ。上智大学外国語学部卒。訳書『ポパーとウィトゲンシュタインとの間で交わされた10分間の議論の謎』(筑摩書房、2003)共編著『「オンライン読書」の挑戦』(晶文社、2000)など。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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この本の関連書


「死を生きながら」の画像:

死を生きながら

「死を生きながら」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/312頁
定価 3,080円(本体2,800円)
ISBN 4-622-07090-1 C1036
2004年4月20日発行

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