他者の狂気
臨床民族精神医学試論
LA FOLIE DES AUTRES

判型 | A5判 |
---|---|
頁数 | 496頁 |
定価 | 6,600円 (本体:6,000円) |
ISBN | 978-4-622-07156-3 |
Cコード | C1011 |
発行日 | 2005年8月23日 |
備考 | 現在品切 |

LA FOLIE DES AUTRES
判型 | A5判 |
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頁数 | 496頁 |
定価 | 6,600円 (本体:6,000円) |
ISBN | 978-4-622-07156-3 |
Cコード | C1011 |
発行日 | 2005年8月23日 |
備考 | 現在品切 |
著者の提唱する〈民族精神医学〉とは、文化的背景の異なる人びとの心の病を、その出身文化の枠組みの中で理解し、人類学的知見や精神分析の技法も用いつつ、集団セッションを特徴とする独自のやりかたで分析・治療する方法のことである。
意識と無意識、想像界と現実、自己と他者、過去と現在、内と外……人間の精神は、さまざまな二項対立によって機能しているが、これらの界が揺らいだ時に心の病が生じる。出身文化と移住先の文化のあいだの境界、文化と精神のあいだの境界の揺らぎがひきおこす移住者の精神疾患を治癒に向かわせるには、この二項対立・二重性を多元項の中に置きなおして相対化し、新たなかたちで再構築することが、なにより必要となる。
30年以上にわたり治療の現場に身をおいてきた著者が、具体的な臨床例とその分析を示しながら説く理論はきわめて実践的であり、とくに近年、労働力としての移住者の受け入れが急速に進み、文化的要素を重視した治療の方法が提案されはじめたわが国においても、貴重な指標となるだろう。