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他者の狂気

臨床民族精神医学試論

LA FOLIE DES AUTRES


著者の提唱する〈民族精神医学〉とは、文化的背景の異なる人びとの心の病を、その出身文化の枠組みの中で理解し、人類学的知見や精神分析の技法も用いつつ、集団セッションを特徴とする独自のやりかたで分析・治療する方法のことである。

意識と無意識、想像界と現実、自己と他者、過去と現在、内と外……人間の精神は、さまざまな二項対立によって機能しているが、これらの界が揺らいだ時に心の病が生じる。出身文化と移住先の文化のあいだの境界、文化と精神のあいだの境界の揺らぎがひきおこす移住者の精神疾患を治癒に向かわせるには、この二項対立・二重性を多元項の中に置きなおして相対化し、新たなかたちで再構築することが、なにより必要となる。

30年以上にわたり治療の現場に身をおいてきた著者が、具体的な臨床例とその分析を示しながら説く理論はきわめて実践的であり、とくに近年、労働力としての移住者の受け入れが急速に進み、文化的要素を重視した治療の方法が提案されはじめたわが国においても、貴重な指標となるだろう。



著訳者略歴

トビ・ナタン
Tobie Nathan

1948年生まれ。 フランスの臨床心理学者。 民族精神医学の提唱者として知られる。 エジプトのカイロに生まれ、家族でフランスに移住後、心理学・精神分析を学ぶ。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
松葉祥一
まつば・しょういち

1955年大阪生まれ。神戸市看護大学教授。著書『来るべき民主主義』(共著、藤原書店、2003)ほか。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
植本雅治
うえもと・まさはる

1950年大阪府生まれ。 神戸市看護大学教授。 著書『震災調査の理論と実践』(共著、勁草書房、2001)、『学生のための精神医学』(共著、医歯薬出版、2002年)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
椎名亮輔
しいな・りょうすけ

1960年東京都生まれ。 同志社女子大学助教授。 著書『音楽的時間の変容』(現代思潮新社、2005)。 訳書 ナイマン『実験音楽』(水声社、1992)、マルティ『ルイ・アルチュセール』(現代思潮新社、2001)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
向井智子
むかい・ともこ

1972年 愛媛県生まれ。 パリ第8大学大学院心理学研究科博士課程在学中。 訳書 ニニオ『錯覚の世界』(共訳、新曜社、2004)。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「他者の狂気」の画像:

他者の狂気

「他者の狂気」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/496頁
定価 6,480円(本体6,000円)
ISBN 4-622-07156-8 C1011
2005年8月23日発行

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