みすず書房

ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎【新装版】

INDAGINI SU PIERO

判型 A5変型
頁数 410頁
定価 6,820円 (本体:6,200円)
ISBN 978-4-622-07194-5
Cコード C1022
発行日 2006年2月20日
備考 現在品切
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ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎【新装版】

イタリア・ルネサンス期最大の画家の一人に、ピエロ・デッラ・フランチェスカがいる。〈図像表現の社会史〉研究の一環として、ギンズブルグは、この最も謎の多いといわれる画家ピエロの三つの作品の分析に挑む。作品の注文主、モデルそして制作年代を解き明かそうとする。それは美術史研究の領域に足を踏み込むことでもある。

既存の研究書が渉猟され、それらの研究を踏まえて、ピエロ個人を取り巻く状況を少しずつ明らかにしながら、ヴァチカンも巻き込むルネサンス期イタリアの大きな状況との関係を次第に明らかにしてゆく。

人文主義グループ、パトロンたち、フィレンツェ公会議…、ピエロの作品と時代との関係を突き詰めて行くギンズブルグの手法は、あたかも難事件を前にしたシャーロック・ホームズに似て、読む者をあきさせない。

そしてギンズブルグは、そのモデル、パトロンだけでなく、正確な制作日時と作品に込められたメッセージをも読み解き、ピエロの相貌とルネサンス期イタリアの姿をわれわれの前に鮮やかに提示する。ギンズブルグ史学の見事な成果。

目次

序文
新版への序文
はじめに
第1章 キリストの洗礼
第2章 アレッツォのフレスコ画連作
第3章 『鞭打ち』
第4章 『鞭打ち』再考
結論

補論I ジョヴァンニ・ディ・フランチェスコ、ピエロ・デッラ・フランチェスカおよびアレッツォのフレスコ画連作の制作年代
補論II 『鞭打ち』——推測と論駁
補論III ベレンソン、ロンギおよびピエロの発見(1912-14)
補論IV 絶対的年代推定と相対的年代推定——ロンギの方法について

原注
訳注
訳者あとがき
図版リスト
人名索引