オペラ、魅惑する女たち
LES ENCHANTRESSES

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 304頁 |
定価 | 4,180円 (本体:3,800円) |
ISBN | 978-4-622-07253-9 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2006年10月23日 |
備考 | 現在品切 |

LES ENCHANTRESSES
判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 304頁 |
定価 | 4,180円 (本体:3,800円) |
ISBN | 978-4-622-07253-9 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2006年10月23日 |
備考 | 現在品切 |
本書は、ようやく書物のかたちをとったスタロバンスキーにとって初めての音楽論でありオペラ論である。ただし、これまでの著者の仕事の成果がおのずから結実して、水が自然に器にあふれるように一巻をなす印象がここにはある。
オペラを生み出す要素としての「魔術的魅惑」と「驚異」。ポッペアとサロメ、メデイアとディドー、夜の女王とトゥーランドット、カルメンとルル、さらにはドン・ジョヴァンニとクリングゾルなど、イリュージョンの世界にわれわれをひきずりこむ誘惑者という形象を中心にすえ、その系譜をたどることで描かれるオペラの歴史への夢想が、本書の底流に流れているのだ。
現代においても数多くの新演出で再生しつづけるモーツァルトのオペラ群、《フィガロの結婚》から《ドン・ジョヴァンニ》《コジ・ファン・トゥッテ》や《イドメネオ》《魔笛》まで。そしてモンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》からリヒャルト・シュトラウス《エレクトラ》までのオペラ。
タッソやアリオスト、シェイクスピアは言うまでもなく、モンテーニュからラ・ブリュイエール、ルソーなどを自在に引用しつつ、ホフマン、ニーチェに至るまでの文学を知り尽くしたこの碩学は、いかにも楽しげにオペラの本質を語っている。