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オペラ、魅惑する女たち

LES ENCHANTRESSES


本書は、ようやく書物のかたちをとったスタロバンスキーにとって初めての音楽論でありオペラ論である。ただし、これまでの著者の仕事の成果がおのずから結実して、水が自然に器にあふれるように一巻をなす印象がここにはある。

オペラを生み出す要素としての「魔術的魅惑」と「驚異」。ポッペアとサロメ、メデイアとディドー、夜の女王とトゥーランドット、カルメンとルル、さらにはドン・ジョヴァンニとクリングゾルなど、イリュージョンの世界にわれわれをひきずりこむ誘惑者という形象を中心にすえ、その系譜をたどることで描かれるオペラの歴史への夢想が、本書の底流に流れているのだ。

現代においても数多くの新演出で再生しつづけるモーツァルトのオペラ群、《フィガロの結婚》から《ドン・ジョヴァンニ》《コジ・ファン・トゥッテ》や《イドメネオ》《魔笛》まで。そしてモンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》からリヒャルト・シュトラウス《エレクトラ》までのオペラ。

タッソやアリオスト、シェイクスピアは言うまでもなく、モンテーニュからラ・ブリュイエール、ルソーなどを自在に引用しつつ、ホフマン、ニーチェに至るまでの文学を知り尽くしたこの碩学は、いかにも楽しげにオペラの本質を語っている。



著訳者略歴

ジャン・スタロバンスキー
Jean Starobinski

1920年ジュネーヴ生まれ。ジュネーヴ大学に学び、医学と文学の二つの分野で博士号を取得する。ジュネーヴ大学名誉教授。フランス学士院会員。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
千葉文夫
ちば・ふみお

1949年生れ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程中退。パリ第一大学哲学博士。現在、早稲田大学文学学術院教授。フランス文学、美学。著書『ファントマ幻想』(青土社)。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「オペラ、魅惑する女たち」の画像:

オペラ、魅惑する女たち

「オペラ、魅惑する女たち」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/304頁
定価 4,104円(本体3,800円)
ISBN 4-622-07253-X C1010
2006年10月23日発行

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