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歴史哲学についての異端的論考

KACIRSKE ESEJE O FILOSOFII DEJIN


フッサールとハイデガーの流れを引きつつ、彼らとは別の道に進んだ20世紀チェコ最大の哲学者ヤン・パトチカ。徹底した社会主義体制のもと、自由な著述活動を許されず、自らの思想を十分展開し発表することのかなわなかった著者晩年の主著である。
歴史以前の前史的世界である「自然的世界」――人間を支配する超自然的な諸力・神々が存在し、所与の、慎ましいが信頼できる意味の世界が「歴史的世界」に更新されるとき、安寧ではあるけれども単に自己を維持しつづけるための消費にすぎなかった生から、労働の重荷を担わされながらもこれまでとは別様の生への可能性が開かれた。が、そのとき、前史的状態に存在した確信は喪われ、受容されたすべての意味は揺るがされる。
古代世界が育んだ「魂の配慮」・在ることの配慮が、持つことの配慮・支配することへの配慮へと取って代わられた16世紀ヨーロッパ。今日、存在の意味を空洞化させる地球的規模の科学技術による力と手段が増大するなかで、人間の生はカタストロフへと導かれてゆく。
我々の生が必ずや直面する意味喪失の経験を足下の問題として据え、死・夜・存在の闇に直面した際の〈震撼〉によって、慣れた所与の日常性が剥ぎ落とされ真理に直面する可能性を開かれた〈震撼させられた者たち〉の連帯の思想を展開したパトチカの遺作に、論文「フッサールにおける科学の技術化の危機と、ハイデガーにおける危機としての技術の本質」、訳者による小評伝を付す。


目次


「ヤン・パトチカ――受難を超える哲学者」  石川達夫

歴史哲学についての異端的論考
第一章 前史的考察
第二章 歴史の始まり
第三章 歴史に意味はあるか?
第四章 ヨーロッパと、19世紀末までのヨーロッパの遺産
第五章 技術文明は堕落したものか? そして、それはなぜか?
第六章 20世紀の戦争と、戦争としての20世紀

『異端的試論』への、著者自身の解説
「フッサールにおける科学の技術化の危機と、ハイデガーにおける危機としての技術の本質

訳者あとがき


著訳者略歴

ヤン・パトチカ
Jan Patocka

東ボヘミアのトゥルノフ生まれ。プラハのカレル大学で学び、ソルボンヌに留学後、カレル大学で哲学博士の学位取得。1930年代にベルリンとフライブルクでフッサール、ハイデガーに師事、カレル大学で教授資格を得る。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
石川達夫
いしかわ・たつお

1956年東京生まれ。東京大学文学部卒業。プラハのカレル大学留学を経て、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、神戸大学大学院教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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歴史哲学についての異端的論考

「歴史哲学についての異端的論考」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/288頁
定価 4,968円(本体4,600円)
ISBN 978-4-622-07326-0 C3010
2007年9月14日発行

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