みすず書房

ニールス・ボーアの時代 2

物理学・哲学・国家

NIELS BOHR’S TIMES

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 408頁
定価 8,360円 (本体:7,600円)
ISBN 978-4-622-07338-3
Cコード C1042
発行日 2012年2月16日
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ニールス・ボーアの時代 2

ニールス・ボーアが20世紀物理学界において最も重要な人物の一人となったのは、量子論によって原子構造を解明し、われわれの自然理解に大きな革命をもたらしたからである。だが、それにもまして重要なことは、彼が1920年代にコペンハーゲンに理論物理学研究所を設立し、そこに各国から多数の優れた若い研究者を集め、彼らが自由に議論し、研究することができるようなセンターをつくりあげたことであった。
この第2巻は、クラマース、ハイゼンベルク、シュレーディンガー、パウリ、ディラックなど、研究所に集まった俊英たちとボーアの共同研究に焦点を当て、量子力学が建設され、その解釈をめぐる「コペンハーゲン精神」が形成される過程をあざやかに再現する。
量子力学の解釈をめぐってボーアとアインシュタインは根本的に対立したが、彼ら二人に身近に接した著者パイスは、両者の論争が、ボーア自身の研究にどのような役割を果たしたかも語っている。
さらに、第二次大戦時、ドイツ占領下の母国を脱出し、英米での亡命生活を送ったボーアは、連合国側の核兵器開発に関与し、科学が人類に及ぼす影響についての考察を深めた。次いで、冷戦時代の彼は、科学者の社会的責任についての洞察にもとづいて国際政治の舞台で発言を行なうことになった。核をめぐる東西間の情報公開を各国首脳に提唱するなど、ボーアの先駆的活動の全貌がここに明らかとなる。

目次

13 「それで全体像がすっかり変わるのです」——量子力学の発見
14 コペンハーゲン精神
15 原子核への探求
16 ボーアのスタイルで物理学の最先端へ、そしてもうすこし先へと
17 1930年代における物理学と生物学の実験研究の発展
18 悲しい出来事と大きな旅行
19 「われわれは言葉の中を浮遊している」
20 核分裂
21 「情報公開(グラスノスチ)」の先駆者としてのボーア
22 全力をあげて行動しつつ晩年を迎えたボーア
23 エピローグ

付録 年表形式による本書の梗概

訳者あとがき
人名索引
事項索引

書評情報

亀淵迪
日本物理学会誌Vol. 68, No. 2()