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ならず者たち

VOYOUS


〈強者の理由がいつでも正しいことになる われわれはすぐにそのことを示そう。〉
「9・11」後の世界情勢の激動へと送り出された本書は、同時代に対する即座の応答であるとともに、プラトンからシュミットに至る主権概念の徹底的な再検討、そしてデリダの後期思想の核心をなす「来たるべき民主主義」論の濃密な展開である。
拷問具にして民主制に本質的な交代の運動としての車輪の形象、民主制の核心に開く遊動の空間、民主主義の他者としてのイスラームからの問い、自己免疫的作用…。〈民主主義といういまだ真新しい、そして、おそらくは、思考されざる古き名のもとに〉、来たるべき民主主義のヴィジョンが回転し、飛躍しつつ精緻に論じられていく。
「ならず者」の名は、それらの論脈の結節点をなす。ならず者国家という概念がその外見に反して早晩消え去る運命にあることをデリダは予告する。
〈民主制の規範的倒錯とデリダが呼ぶものを、その自己免疫的な諸作用を含め、私たちが本格的に生きることになるのはこれからだ(…)本書の考察は、今後この国で起こりうる事態の数々に、貴重な光を投げかけることになるだろう〉(訳者あとがき)。来たるべき民主主義の思考の輪郭をもっとも詳細に伝える、デリダ晩年の主著。


目次


前文 来たれ〔Veni〕 

強者の理性(ならず者国家はあるか?) 
1 自由な車輪 
2 放縦と自由――悪知恵に長けた=車裂きにされた者
3 民主制の他者、代わるがわる――代替と交代 
4 支配と計量
5 自由、平等、兄弟愛、あるいは、いかに標語化せざるべきか 
6 私が後を追う、私がそれであるならず者 
7 神よ、何を言ってはならないのでしょう?来たるべきいかなる言語で?
8 最後の/最低のならず者国家――「来たるべき民主主義」、二回回して開く
9 ならず者国家、より多く/もはやなく 
10 発送 

来たるべき啓蒙の「世界」(例外、計算、主権)
1 目的論と建築術――出来事の中性化 
2 到来すること――国家の(そして戦争および世界戦争の)諸々の終焉に 

訳者あとがき 


著訳者略歴

ジャック・デリダ
Jacques Derrida

1930年アルジェに生まれる。20世紀後半を代表する思想家。現象学の再検討から出発し、ニーチェやハイデガーの哲学を批判的に発展させる。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
鵜飼哲
うかい・さとし

1955年東京都に生まれる。京都大学大学院文学研究科卒業。フランス文学・思想専攻。現在、一橋大学大学院言語社会研究科教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
高橋哲哉
たかはし・てつや

1956年福島県に生まれる。1983年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。哲学専攻。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

本橋哲也(東京経済大学教員)
<:週刊金曜日2009年12月18日号>
鵜飼哲・藤本一勇(対談)<2010年1月22日(金):週刊読書人>

関連リンク

この本の関連書


「ならず者たち」の画像:

ならず者たち

「ならず者たち」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/336頁
定価 4,752円(本体4,400円)
ISBN 978-4-622-07373-4 C1010
2009年11月20日発行

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