みすず書房

忘却の力 電子書籍あり

創造の再発見

判型 四六変型判 タテ188mm×ヨコ118mm
頁数 192頁
定価 2,860円 (本体:2,600円)
ISBN 978-4-622-07399-4
Cコード C0095
発行日 2008年7月15日
電子書籍配信開始日 2013年4月 1日
備考 現在品切
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忘却の力

「近代社会は知識信仰が根強い。知識は広ければ広いほどよく、多ければ多いほどよいときめてかかっている……。実際、若いときはすばらしく創造的であった人が、知識がふえ、経験を積むにつれて力を失っていく例はいたましいほど多い……。過ぎたるはなお及ばざるごとし(『論語』)は、知識においても妥当する。肥満は運動によって解消するらしいが、知識メタボリック症候群において、運動に当るものは、忘却であろうが、忘れることは、散歩などに比べて格段に難しいのである」

現代の人間にとって、記憶以上に大切なものは忘却である。コンピューターにはまちがっても選択的忘却という芸当はできない。知的肥満をおさえ、頭のはたらきをよくする50のヒント。

目次

I
ことばの殻/青い山/木石/耳と目/第七感/二本脚/外れる/習慣/サイレント・キラー/ふたつの「私」/後ろ姿/行書先習/身分証明/人のためならず/コントラ・ヴェンテ/エスカレーター/点的四次元/涙と笑い/翻訳/しみじみ
II
変調/遠い読者/見えない目/矛盾/天気・人気/こころの旅/待合室/わずらわしさ/過ぎたるは……/傍観主義/見舞/水商売/「の」の字/エレジーのとき/入試問題/小さきもの/右と左/生きかわり死にかわり/愚人考/清富の思想
III
萬有視点/ワン・シッティング/毒には毒/五体感知/月曜日/目のやり場/コレステロール先入主/叔父的/のぞき美学/第四人称/忘却(あとがきに代えて)

編集者からひとこと

どんな本でもそうであるが、タイトルを決める時はいつも困惑する。連載や書き下ろしで、もうタイトルが決まっていればまことに楽で、助かるのだが。今度の本も、著者の外山先生と、どうしましょうか? とアアでもないコウでもないと何回も相談したものである。雑誌「みすず」に連載された時の通しのタイトルは「木石片々録」であるが、これはちょっとつかえない。すこし前に『老人力』というユニークな本が出て、ずいぶん売れたようである。これにあやかって『忘却力』にしましょうか? と提案したところ、先生、首をひねって、あまり感心しない様子である。たしかに「……力(りょく)」というタイトルがさいきんやたらと目につく。しかし、売れないと困るので、ねばった。ベストではありませんが、ともかく、間に「の」を入れるということでナントカなりませんか。しょうがないねェ……

営業部からひとこと

“東大・京大で昨2008年いちばん読まれた本”『思考の整理学』(ちくま文庫)のことが新聞各紙に紹介されています。ブームの理由をさぐろうと東京大学駒場で著者を招いて開かれた講演会で、「忘却こそが大切」「頭がメタボになれば考えることができなくなる」と二時間ちかく立ちっぱなしで聴衆に語りかけられたのですが、そのメッセージは、もちろん、本書『忘却の力』で存分に展開されています。

書評情報

無記名
児童心理2008年12月号

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