歴史と記憶の抗争
「戦後日本」の現在
STRUGGLE BETWEEN HISTORY AND MEMOY

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 384頁 |
定価 | 5,280円 (本体:4,800円) |
ISBN | 978-4-622-07439-7 |
Cコード | C0021 |
発行日 | 2010年4月23日 |
備考 | 現在品切 |

STRUGGLE BETWEEN HISTORY AND MEMOY
判型 | 四六判 |
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頁数 | 384頁 |
定価 | 5,280円 (本体:4,800円) |
ISBN | 978-4-622-07439-7 |
Cコード | C0021 |
発行日 | 2010年4月23日 |
備考 | 現在品切 |
日本語の「戦後」の意味は、過去65年間全く変らない。なぜ私たちは「戦後」がこれだけ続くことを疑問に思わないのだろうか。 日米関係を徹底して問い直す待望の論集である。
米国の大学の「日本学」は独特の変遷をたどった。冷戦下では、米国にとって必要な「地域研究」だった。日本が高度成長をとげると、こんどは日本がそれを必要とし、資金も提供するようになる。
それは、日米関係の「もつれ」を象徴する例となった。日本の「戦後」が終わらない理由も、この「もつれ」と深く関連すると著者は考える。日本人は長い戦後の折々に、どのように「過去」を理解し、自分たちの立場を了解してきたのだろうか。
これまで戦前・戦間期にかんする研究を発表してきた著者による、初の戦後論。「戸坂潤の処刑とその他の物語」「記憶、喪、国民道徳」「一木一草に宿る天皇制」「帰ってきたヒロヒト」など全9編を収める。
「“アナトリアの大量虐殺計画から逃れたアルメニア系移民の子”としてデトロイトで育った自分が、なぜ研究分野に米国でもアルメニアでもなく、日本を選んだのか」——そう自問しながら、歴史家は稀有な問いを投げかける。今、私たちが考えるべきもっとも基本的な問題のひとつだろう。
序論 特殊体制、縺れ合い——あるいはアメリカによる日本の形象化について
1 曖昧なシルエット——イデオロギー、知、そして米国における日本学の形成
2 戸坂潤の処刑とその他の物語——記憶、歴史、日本の「戦後」にかんする随想
3 日本の長い戦後——持続する記憶、忘却される歴史
4 記憶、喪、国民道徳——靖国神社と戦後日本における国家と宗教の再統合
5 見える言説、見えないイデオロギー
6 「一木一草に宿る天皇制」——指示するもののない象徴
7 天皇ではなかったかもしれない天皇——ヒロヒトの独白録
8 帰ってきたヒロヒト——ハーバート・ビックス『昭和天皇』を読む
ユニバーシティ、ファシズム、声——ハリー・ハルトゥーニアンと歴史
(監訳者あとがきにかえて) カツヒコ・マリアノ・エンドウ
注
初出と訳者一覧
索引