〈死の欲動〉と現代思想
TALES FROM THE FREUDIAN CRYPT

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 440頁 |
定価 | 5,280円 (本体:4,800円) |
ISBN | 978-4-622-07443-4 |
Cコード | C1011 |
発行日 | 2010年7月23日 |
備考 | 現在品切 |

TALES FROM THE FREUDIAN CRYPT
判型 | 四六判 |
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頁数 | 440頁 |
定価 | 5,280円 (本体:4,800円) |
ISBN | 978-4-622-07443-4 |
Cコード | C1011 |
発行日 | 2010年7月23日 |
備考 | 現在品切 |
「私の目的は、精神分析のおそらくはもっとも刺激的な面を強調することである。その側面とは、ありとあらゆる分野から掻き集められた理論の断片を総合しつつ、人間に関する科学理論を自身の伝記を書くように書いたフロイトの大胆きわまりない所業である」。
フロイト後期の理論的著作『快感原則の彼岸』は、とりわけその〈死の欲動〉という概念によって、精神分析の世界を超えてさまざまな議論を呼びおこし、現代思想に多大な影響を与えてきた。
ヘッケル(系統発生を反復する個体発生)やラマルク(獲得形質の遺伝)の進化論的生物学から、フロイトは何を受け取ったのか。ジョウンズ、フェレンツィ、クライン、ライヒ、ラカンといった精神分析の後継者や、フロム、マルクーゼ、リクール、ドゥルーズ=ガタリ、デリダといった哲学者は、〈死の欲動〉をいかに読解し、そして誤解
してきたか。
「フロイトの論理はラカンが主張するような形で弁証法的ではない。(…)フロイトが導入した彼岸とは、生と死の欲動という〈弁証法〉のラディカルな“外部”にある」。
「精神分析の世紀」とも言うべき20世紀が終わったいま、死の欲動理論の精神史的な系譜をたどった最初の、そしていまだ唯一の研究書。
日本語版への序文
ミケル・ボルク=ヤコブセンによる序文
序文
第一章 偶像の黄昏——フロイトからラカンまで
フロイト・ブランドの今
「フランス流フロイト」の彼岸——アメリカの場合
ホテル・アビスでコンティネンタル・ブレックファストを
第二章 さまざまなる「彼岸」——死者と死にゆく者へのご案内
事の核心へ、与えられ、奪われ、拒まれ、忘却された『彼岸』
伝記的「彼岸」
生物学的な「彼岸」
フロイト的メタ・シーン/生物学的熱狂
クラインと「治療的彼岸」
歴史的な関係/具体的な実例(欲動理論における)
混乱、あるいは幻想はいかにして奇想天外になったか
哲学的『彼岸』たち
ニーチェとの結びつき/弁証法的「彼岸」たち/ラカンと脱中心化する「彼岸」
デリダと脱構築的「彼岸」——あるいはいかに(ジャック)ハンマーを使って哲学するか
原エクリチュールと「彼岸」/自伝的「彼岸」
第三章 「彼岸」の別面/他者——その別名は「集団心理学と自我分析」
死にゆくこと——抵抗、成長、集団的同一化
因果律と実存/社会性と絶対的なナルシシスト/われらが信頼するフロイト
催眠術的「彼岸」
Fort / Da——使える反復と使えない反復/情熱的で欲動的な反復
精神分析のための暗示の使用と濫用/メタ心理学者になるべきか、ならぬべきか
あとがき——いかにしてフロイディアンになるべきか、あるいは何も考えない経済学
原注
訳者あとがき
文献
索引