みすず書房

新エディターシップ

判型 四六判
頁数 192頁
定価 2,860円 (本体:2,600円)
ISBN 978-4-622-07469-4
Cコード C0095
発行日 2009年5月20日
備考 現在品切
オンラインで購入
新エディターシップ

「人間の知的活動のきわめて大きな部分が統合作用によっているわけで、人間はすべて生まれながらのエディターである。オーケストラの指揮者、仲裁者、司会者、演出家、生け花を活ける人、デザイナーなどなど、不調和を高度の調和にまとめ上げる機能をもつ人たちは、すべての人に潜在しているエディターシップを顕在させている、氷山の一角であるにすぎない。
「新聞、雑誌などの〈編集〉は、その氷山の小さな一角のさらにまた特殊な一部でしかない。したがって、エディターシップとは、いわゆる編集にその露頭を見せている全人間的機能ということになる。人間の文化とはこの広義のエディターシップの生んだ文化である」(統合の傾向)。
本書は、人間がつね日ごろ何気なく行なっている知的活動の原理を〈エディターシップ〉と名づけ、そのすぐれて創造的な機能を明らかにしたユニークな〈編集=文化論〉である。この原理は近代文化の利器である〈分析〉に対抗しつつ、相補的な役割を果たし、「切る・分かつ」より「結ぶ・つなぐ」ことに目を向ける。旧版の二章を改稿して、統合作用による文化創造の原理をより鮮明にした決定版。

目次

ミドルマン
エディター
見つけて育てる
アンソロジー
変化の理論
統合の傾向
コンテクスト
つなぎ
アイロニーの三角形
二次的創造
結ぶ
桃太郎
関係価値
編集人間
あとがき

書評情報

週刊文春
2009年6月11日号
出版ニュース
2009年7月中旬号
鷲田清一
朝日新聞「折々のことば」2016年5月27日

関連リンク