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アドルノ 文学ノート 2

NOTEN ZUR LITERATUR


〈それは祝祭だった。ベンヤミンの身近にいると、ひとは、クリスマス・イブに部屋の扉が開かれる瞬間の子供のような気持ちになるのだった。それは、クリスマスの扉が開かれ、溢れる光に圧倒されて涙が自然に流れ出す瞬間なのだ。その光は、部屋に入っておいでと言われたときに、子供が見たそれまでのどんな光よりも、心をゆり動かす、幸福を約束してくれる光なのである。思考のいっさいの力が、このような瞬間を現出させるために、ベンヤミンのうちに凝集した。そして、ただそれらの力にのみ、かつて神学の教義によって約束されたものが、移行したのである〉
親友ベンヤミンを論じた2編はじめ、ハイデガーのヘルダーリン解釈に敢然と対峙した圧倒的長編「パラタクシス――ヘルダーリン後期の抒情詩に寄せて」、サルトルやブレヒトを論じた「アンガージュマン」、カール・クラウス論「モラルと犯罪」、その他トーマス・マン、クラカウアー、ゲーテ、ディケンズ、ゲオルゲ、ボルヒャルト、ブロッホ、ホッホフート論、さらに本についての小編「表題」「書物を愛する」など18編。アドルノ思想の真骨頂をしめす20世紀批評の金字塔が、ここに完結した。


目次


III
表題――レッシングへのパラフレーズ
トーマス・マンの肖像に寄せて
書物を愛する
想像上の文芸欄について
モラルと犯罪――カール・クラウス作品集の第十一巻に寄せて
風変わりなリアリスト――ジークフリート・クラカウアーについて
アンガージュマン
諸前提――ハンス・G・ヘルムスの朗読会に際して
パラタクシス――ヘルダーリン後期の抒情詩に寄せて
IV
ゲーテの『イフィゲーニエ』の擬古典主義に寄せて
チャールズ・ディケンズ『骨董屋』についての講演
ゲオルゲ
喚起された言葉――ルードルフ・ボルヒャルトの抒情詩に寄せて
取っ手、壷、若き日の経験
ベンヤミン『著作集』への序文
手紙の人 ベンヤミン
ロルフ・ホッホフートへの公開書簡
芸術は明朗か?
解題 
『文学ノート』――アドルノの「主著」ならぬ主著について(前田良三) 
光明のないところに真理はない――「解説」に代えて(三光長治) 
人名索引


著訳者略歴

テオドール・W・アドルノ
Theodor W. Adorno

1903年ドイツのフランクフルト・アム・マインに生まれる。同市の大学およびウィーン大学に学び、フランクフルト大学で講義していたが、ナチス政権時代、イギリスを経てアメリカに亡命、1949年帰国。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
三光長治
さんこう・ながはる

1928年広島生まれ。愛知大学講師、神戸大学助教授、埼玉大学教授、神戸松蔭女子学院大学教授を歴任。著書『アドルノのテルミノロギー』『晩年の思想』(以上、法政大学出版局)ほか。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
高木昌史
たかぎ・まさふみ

1944年満州国鞍山生まれ。現在 成城大学文芸学部教授。著書『グリム童話を読む事典』(三交社)。共訳書 アウエルバッハ『世界文学の文献学』(みすず書房)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
圓子修平
まるこ・しゅうへい

1931-2003。東京都立大学名誉教授。訳書 トーマス・マン『ファウストゥス博士』(新潮社)『ムージル日記』(法政大学出版局ほか多数。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
恒川隆男
つねかわ・たかお

1940年東京生まれ。現在 明治大学文学部教授。著書『二つの世界のオイディープス』(白水社)。訳書『遺された断想(ニーチェ全集第1期第11巻)』(白水社)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
竹峰義和
たけみね・よしかず

1974年兵庫県生まれ。現在 日本大学法学部助教。著著『アドルノ、複製技術へのまなざし――〈知覚〉のアクチュアリティ』(青弓社)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
前田良三
まえだ・りょうぞう

1955年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在 立教大学文学部教授。著書『ツェラーン研究の現在』(共著、中央大学出版局)『纏う。表層の戯れの彼方に』(共編著、水声社)ほか。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
杉橋陽一
すぎはし・よういち

1945年東京生まれ。東京大学独文科卒業、2009年まで同大教養学部教授。著書『一角獣の変容』(朝日出版社)『剥落する青空――細見綾子論』(白凰社)『快速リーディング・ニーチェ』(筑摩書房)ほか。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

四方田犬彦<新潮 2009年12月号>
細見和之(ドイツ思想)
<図書新聞 2009年12月12日(土)>

関連リンク

この本の関連書


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アドルノ 文学ノート 2

「アドルノ 文学ノート 2」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/416頁
定価 7,260円(本体6,600円)
ISBN 978-4-622-07471-7 C1010
2009年9月25日発行

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