みすず書房

アドルノ 文学ノート 2

NOTEN ZUR LITERATUR

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 416頁
定価 7,260円 (本体:6,600円)
ISBN 978-4-622-07471-7
Cコード C1010
発行日 2009年9月25日
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アドルノ 文学ノート 2

〈それは祝祭だった。ベンヤミンの身近にいると、ひとは、クリスマス・イブに部屋の扉が開かれる瞬間の子供のような気持ちになるのだった。それは、クリスマスの扉が開かれ、溢れる光に圧倒されて涙が自然に流れ出す瞬間なのだ。その光は、部屋に入っておいでと言われたときに、子供が見たそれまでのどんな光よりも、心をゆり動かす、幸福を約束してくれる光なのである。思考のいっさいの力が、このような瞬間を現出させるために、ベンヤミンのうちに凝集した。そして、ただそれらの力にのみ、かつて神学の教義によって約束されたものが、移行したのである〉
親友ベンヤミンを論じた2編はじめ、ハイデガーのヘルダーリン解釈に敢然と対峙した圧倒的長編「パラタクシス——ヘルダーリン後期の抒情詩に寄せて」、サルトルやブレヒトを論じた「アンガージュマン」、カール・クラウス論「モラルと犯罪」、その他トーマス・マン、クラカウアー、ゲーテ、ディケンズ、ゲオルゲ、ボルヒャルト、ブロッホ、ホッホフート論、さらに本についての小編「表題」「書物を愛する」など18編。アドルノ思想の真骨頂をしめす20世紀批評の金字塔が、ここに完結した。

目次

III
表題——レッシングへのパラフレーズ
トーマス・マンの肖像に寄せて
書物を愛する
想像上の文芸欄について
モラルと犯罪——カール・クラウス作品集の第十一巻に寄せて
風変わりなリアリスト——ジークフリート・クラカウアーについて
アンガージュマン
諸前提——ハンス・G・ヘルムスの朗読会に際して
パラタクシス——ヘルダーリン後期の抒情詩に寄せて
IV
ゲーテの『イフィゲーニエ』の擬古典主義に寄せて
チャールズ・ディケンズ『骨董屋』についての講演
ゲオルゲ
喚起された言葉——ルードルフ・ボルヒャルトの抒情詩に寄せて
取っ手、壷、若き日の経験
ベンヤミン『著作集』への序文
手紙の人 ベンヤミン
ロルフ・ホッホフートへの公開書簡
芸術は明朗か?
解題 
『文学ノート』——アドルノの「主著」ならぬ主著について(前田良三) 
光明のないところに真理はない——「解説」に代えて(三光長治) 
人名索引

書評情報

四方田犬彦
新潮2009年12月号
細見和之(ドイツ思想)
図書新聞2009年12月12日(土)

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