留まれ、アテネ
DEMEURE, ATHÐNES

判型 | A5変型 |
---|---|
頁数 | 112頁 |
定価 | 3,740円 (本体:3,400円) |
ISBN | 978-4-622-07496-0 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2009年12月17日 |
備考 | 現在品切 |

DEMEURE, ATHÐNES
判型 | A5変型 |
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頁数 | 112頁 |
定価 | 3,740円 (本体:3,400円) |
ISBN | 978-4-622-07496-0 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2009年12月17日 |
備考 | 現在品切 |
〈私は、ジャン=フランソワ・ボノムからこれらの写真を受け取って以来、それらを抱えてギリシャを旅していた。(…)私は門外漢の気安さで、すでに写真との接触を始めていたが、そこには魅惑、嘆賞、驚愕の気持ち、またとくに自分のテクストがとりうる形態にかんするあらゆるかたちの不安な問いかけが、渦巻いていた。知らないうちに、まだ一文も書いていないのに、私はその七月三日という日に、テクストの形態が、警句的な文章が連続するようなかたちになると、決めていたはずだ。そうすれば、白と黒・光と影と戯れながら、〈視点〉や〈見地〉を分散させることができるだろう——それらを分離的シークエンスのうちに統合するように見せかけながら〉
写真という芸術じたいがすでに、死と不可分の関係にあるのではないだろうか?——古代から近代にかけ無数の死を堆積させてきた「死の都」アテネの断片を写しとった写真たちに導かれ、哲学者はその地を訪れる。町を彷徨い、「見る者」と「撮る者」の見地を往ったり来たりしながら、写真という近代的装置=仕掛けと遅延、そこに写っているものの存在と死、そして「喪の作業」をめぐる思索に立ち止まり、焦点を合わせる。旅のスナップショットのように書き留められた異形の都市/写真論。