みすず書房

アンチ・オイディプス草稿

ECRITS POUR L’ANTI-OEDIPE

判型 A5判
頁数 480頁
定価 6,380円 (本体:5,800円)
ISBN 978-4-622-07514-1
Cコード C1010
発行日 2010年1月22日
備考 現在品切
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アンチ・オイディプス草稿

「くたばってしまわないために書くこと。違う仕方でくたばるために書くこと。(…)エクリチュール機械が私を超えて機能し、誰かタイプ打ちしてくれる人、訂正してくれる人、読んでくれる人、待ってくれる人が私を保ってくれるという条件のもとでしか、私はそこを抜け出すことができない。私はファニーに、そして連鎖の最後にいるジルにこれらのテクストを送り続けるだろう」
1969年から3年間、ジル・ドゥルーズに宛てて書き続けられた論考、ノート、日記をテーマ別に収録。いわば『アンチ・オイディプス』初期バージョンにして『千のプラトー』の萌芽的要素をも孕んだテクスト群だが、鮮烈なフロイト‐ラカン批判のガイドライン、種々の特異な概念とそれらの用法などはガタリによって準備されていたことが十分にみてとれるだろう。精神分析から分裂分析へ。そして資本主義社会の批判的解読へ。「5月革命以後」という切断‐流れのなかで世紀の書を編みあげた「スズメバチと蘭」の共同作業。その内側から、横断的思考の生成プロセスを開示するガタリ‐エクリチュール機械!

目次

編者序——スズメバチと蘭の愛 ステファン・ナドー
本書についてのノート

I 『アンチ・オイディプス』のためのテクスト
[編者のノート]
各対象は三つの参照体を基準にして位置づけられるべきである
第三次分節について
記号について、ファウストについての中間休止も挟んで
記号と欲望
このあとのために
不定詞
状況を考慮した順不同の考察
1970年11月14日のノート
精神分析と多声性
視聴覚的なものはオイディプスを乗り越えることをどのように呼びかけられるのか?

II 中間休止 『アンチ・オイディプス』の訂正
[編者のノート]
1970年5月14日のメモ/第二章の訂正

III 精神分析と分裂分析
[編者のノート]
器官なき充実身体と不定詞化
精神分析とは何か?
精神分析へのガイド
精神分析と多声性
不安、ファルス的対象、解釈について
あなたの質問に答える前に、記号の問いを再検討したい
欲望の上の一対一対応機械から結果する性について(あるいは変換機械の上の生産機械について)
誰が書いたのか?
ラカンにおいて他者Aは、じつのところ器官なき充実身体の役割を果たしている
フロイトからのさまざまな引用
ナルシシズム機械について
分裂分析について
ラカンの「対象a」についての機械状の解釈、またイェルムスレウそして分裂分析について

IV 政治活動の影響範囲
[編者のノート]
「原初の官僚国家」の問いについて
資本主義はヒューマニズムである
ブルジョワジーとは超コード化の階級である
労働運動
政治活動の影響範囲
偶像と階級闘争
階級利益と集団欲望

V プラグマティックな言語学
[編者のノート]
イェルムスレウと内在性
力能記号
力能記号に関する質問について
力能記号と共立平面
ふたつのタイプの切断

VI 共立平面
[編者のノート]
共立平面(1971年)
ノートと日記(1972年2—5月)
共立平面(1972年)
ノートと日記(1972年9—10月)

訳者あとがき

書評情報

舘野真治
日本経済新聞2010年2月21日(日)
前田耕作(アジア文化史家)
読売新聞2010年5月2日(日)
江川隆男
思想2010年第9号
佐々木敦(批評家)
東京新聞2010年9月26日(日)

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