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荒廃する世界のなかで<品切>

これからの「社会民主主義」を語ろう

ILL FARES THE LAND


「わたしたちが20世紀から学んだものが他にないとするなら、わたしたちは少なくとも、答が完全である分だけその結果も恐るべきものなのだ、ということは理解しておくべきでした。不満足な状況に対する追加的な改善というのが、わたしたちが望み得る最善であり、そしておそらく、わたしたちが追求すべきすべてなのでしょう。他の人々は粛々として、状況を崩壊させ不安定化させることにこの30年間を費やしてきたのです。このことに、わたしたちはもっと怒るべきです。用心深さという根拠だけからしても、わたしたちは悩むべきです――先輩たちが苦心して設えた堤防を、なぜあれほど大急ぎで取り潰してしまったのでしょう? もう洪水は来ないなどと、わたしたちは確信が持てるのでしょうか?」(本文より)

今日の世界(とりわけ英米社会)には何か途方もない間違いが起こっているのではないか。ジャットはわたしたちに、社会の不正と向き合い、自らの生きる世界に対する責任を担うよう提言する。そして政治言語を鍛え直して、国家=政府の果たすべき役割、ガバナンスの新しいかたち、より良い生き方について語ろう、と挑発する。
ニヒルな個人主義でもなく、破産した社会主義でもない「社会民主主義」の可能性はあるのか。第一級の歴史家が人生の終わりに遺した本書は、見かけは小さくともその射程と影響力はまことに大きい。


目次


感謝のことば
前置き 不安と混乱のさなかにある若者たちへ

第1章 今のわたしたちの生き方
裕福な個人、浅ましい全体/感情の頽廃/アメリカの特殊事情/経済主義とその不満要素
第2章 失われた社会
ケインズ主義のコンセンサス/規制された市場/共同体と信頼と共通目的/偉大な社会
第3章 政治の耐えられない軽さ
六〇年代の皮肉な遺産/オーストリア人の復讐/民間礼賛/民主主義の赤字状態
第4章 さらばすべてのものよ?
一九八九年と左翼の終焉/脱共産主義のアイロニー/わたしたちは何を学んだのか?
第5章 何をなすべきか?
異議申し立て/世論を鍛え直す/社会問題を問い直す/新しい道徳物語?/わたしたちは何を望むのか?
第6章 来るべきものの形
グローバリゼーション/国家を考える/鉄道――一つのケーススタディ/恐怖の政治学

結び 社会民主主義――生きている部分、死んだ部分

訳者付記


著訳者略歴

トニー・ジャット
Tony Judt

1948-2010。ロンドン生まれ、ケンブリッジのキングズ・カレッジ、パリのエコール・ノルマル・シュペリユール卒業。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
森本醇
もりもと・じゅん

1937年北九州生まれ。翻訳者・編集者。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

宇野重規(東京大学准教授)
<2010年12月12日(日):日本経済新聞>
吉岡忍(ノンフィクション作家)
<2010年12月12日(日):毎日新聞>
五十嵐武士(桜美林大学大学院教授)
<:エコノミスト2010年12月7日号>
姜尚中(東京大学教授)
<2010年12月19日(日):朝日新聞「今年の3点」>
姜尚中(東京大学教授・政治思想史)
<2011年1月16日(日):朝日新聞>
吉岡忍(ノンフィクション作家)
<2010年12月26日(日):北海道新聞「今年の3冊」>
吉田徹(比較政治)
<2011年5月7日(土):図書新聞>
野田昌吾(大阪市立大学大学院法学研究科教授)
<:生活経済政策2011年6月号No. 173>

関連リンク

この本の関連書


「荒廃する世界のなかで」の画像:

荒廃する世界のなかで

「荒廃する世界のなかで」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/272頁
定価 3,024円(本体2,800円)
ISBN 978-4-622-07560-8 C1036
2010年10月21日発行
<ただいま品切です>