みすず書房

愛、ファンタジア

L’AMOUR, LA FANTASIA

判型 四六判
頁数 360頁
定価 4,400円 (本体:4,000円)
ISBN 978-4-622-07595-0
Cコード C0097
発行日 2011年3月18日
備考 現在品切
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愛、ファンタジア

舞台はアルジェリア。「ファンタジア」とは北アフリカに古来伝わる、戦闘を模した騎馬芸のことだ。疾駆する騎馬、いっせいに空に向けて銃を放つ騎士たち、それにあわせ女たちがあげる鋭い叫び声。様々な声が絡み合うファンタジアの形式を模して、物語はギャロップのリズムのように自在に、一世紀以上にわたるフランスのアルジェリア占領から独立後までをたどる。
文字を覚えひそかに男たちと手紙をかわす少女たち、自らの殺戮の記録を書きとめる征服者、伝統的価値観に生きる女たち…。さまざまな人物の声が響き合い、声の連鎖はやがて歴史の壮大なアラベスクとなり、読む者を圧倒する。これは、無数の声による自伝なのだ。
20歳で「アルジェリアのサガン」といわれ、近年はノーベル賞候補となり話題を集める作家が、イスラームとヨーロッパの衝突と個人の運命を圧倒的な筆力で活写。リチャード・パワーズも絶賛した傑作長篇。

目次

第一部 都市の占領、あるいは愛が書かれる
初めて学校へ行くアラブ人の女の子
I
幽閉された三人の娘たち…
II
フランス憲兵の娘…
III
父が母に手紙を書く
IV
抹消…

第二部 ファンタジアの叫び
オラン発、ボスケ大尉の襲撃…
I
洞窟のなかで倒れた女、子ども、家畜…
II
マズーナの裸の花嫁
III
シストラム

第三部 埋もれた声
第一楽章
二人の見知らぬ男
声
ざわめき…
愛の失語症
声
絡み合う身体

第二楽章
トランス
声
ささやき…
略奪
声
絡み合う身体

第三楽章
アブラハムの哀歌
声
ひそひそ話…
コーラン学校
寡婦の声
絡み合う身体

第四楽章
夢のなかの叫び
寡婦の声
内緒話
覗き女たち
寡婦の声
絡み合う身体

第五楽章
ネッソスのチュニック
独白

ツァルル・リット(最終楽章)
ポーリーヌ…
ファンタジア
葦笛の曲

訳註
年表
訳者解説——複数の声の自伝

書評情報

陣野俊史(批評家)
日本経済新聞「今週の3冊」2011年4月20日(水)
陣野俊史(批評家)
週刊金曜日2011年4月22日号
澤田直(立教大教授)
信濃毎日新聞2011年5月1日(日)
岡真理(京都大学教授)
日本経済新聞2011年5月8日(日)

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