みすず書房

生きるために登ってきた

山と写真の半生記

判型 四六判
頁数 256頁
定価 2,750円 (本体:2,500円)
ISBN 978-4-622-07605-6
Cコード C0095
発行日 2011年5月24日
備考 現在品切
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生きるために登ってきた

「吹雪のなか、遠くに見え隠れするあの山は、若いころに登ろうとした山だ。命と引きかえにでも登ろうとした。ひとときとして忘れることができなかった山である」。
16歳で山に出会った。「死んでも登る」が口癖だった20代、黒部川の全支流遡行、冬の南アルプスや知床半島全山縦走、北海道冬期縦断など、重厚な登山をいずれも単独で果たし、『大いなる山 大いなる谷』『果てしなき山稜』などの山行記にまとめた。
30歳で山岳ガイドを始め、36歳、写真集『黒部』で山岳写真家デビュー。45歳の今年(2011年)には、4冊目の写真集『森の白神』を上梓した。
「人生が“光”ならば、力強く輝きたい。生きることが“闘う”ことならば、微動だにしないポリシーで闘いたい。“夢”ならば……永遠に覚めないでほしい」。
夢を追いつづけることは、一方で現実逃避ではないかと思い悩みながらも、一途に前を向き、ひたすら己れの可能性を探してきた志水哲也、渾身の自叙伝。

目次

プロローグ

I 反発
第1章 横浜に生まれ育って
水槽の中にあった野生
逃避の日々
写真との出会い、山との出会い

第2章 最初の目標
高校時代最大の計画

第3章 山、何のために

II 山に描いた夢
第4章 どん底のスタート
大井川の沢の地域研究

第5章 黒部川の沢の地域研究

第6章 僕の青春、どこにある
ヨーロッパアルプスへ

第7章 冬の南アルプス全山縦走
街での生活、もう一人の自分

第8章 冬の知床半島全山縦走

第9章 最初の著書、そして黒部へ
結婚、そして北海道冬期縦断
山で死んだ仲間
山岳ガイドを始めて
黒部へ

III 可能性探しの旅
第10章 写真家宣言
黒部の写真家として

第11章 日本の幻の滝を旅する

第12章 屋久島をめぐって

第13章 白神に通って
小笠原を旅する
ふたたび黒部へ

あとがき

書評情報

正津勉(詩人)
東京新聞2011年7月3日(日)
高桑信一
山と渓谷2011年8月号
木津直人
山の本2011年秋号
中島典子(めぐろ山岳クラブ)
登山時報2012年3月号

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