敗戦三十三回忌
予科練の過去を歩く
判型 | 四六判 |
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頁数 | 200頁 |
定価 | 2,530円 (本体:2,300円) |
ISBN | 978-4-622-07617-9 |
Cコード | C0095 |
発行日 | 2011年7月22日 |
判型 | 四六判 |
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頁数 | 200頁 |
定価 | 2,530円 (本体:2,300円) |
ISBN | 978-4-622-07617-9 |
Cコード | C0095 |
発行日 | 2011年7月22日 |
戦況がいよいよ悪化した1943年、海軍はついに、当時の中学校に在学中の少年たちを召集しはじめた。翌年には著者も志願し、予科練(甲種飛行予科練習生)としての日々がはじまる。
それから敗戦まで、約1年半の軍隊生活は、「国をまもり、家族をまもる」という大義に燃えた少年のプライドを、つぎつぎと突き崩していった——自分たちはたんなる「消耗要員」にすぎないのだろうか。
敗戦33年目の1977年は、早世した長姉の三十三回忌にあたっていた。著者は一念発起し、予科練の足跡をたどる旅に出る——丹波市、大津と琵琶湖の周辺、福知山、綾部へ。全ての場所で当時の生活の痕跡が見つかる。記憶が溢れ出し、ハイティーンの感情の振幅、戦争への矛盾する思い、憤りがよみがえる。思わぬドラマにまで遭遇する。
第二次大戦の記憶の風化と、脱稿直前に東日本で起きた複合災害は、戦争体験を語ることについての著者の逡巡に、新たな見通しをあたえた。「ある予科練の戦後」を語る新しい章がくわわる——あの体験は、戦後の生き方に直結しただろうか。現在にこそ意味をもつ、過去との対話である。
プロローグ 軍国少年
三十三回忌の旅
丹波市
大津
福知山 飛行場
福知山 校庭
綾部
ふたたび大津
比叡山
エピローグ その戦後
謝辞 「耕地復旧記念碑」について
あとがき 「三十三回忌の旅」から複合災害まで